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『農業経営者』定例セミナー

君は安全・安心をどう語るか?~食と農の営業者として~

  • (株)リテラシー(リテラジャパン) 代表取締役 西澤真理子
  • 第2回 2007年09月21日

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農薬や遺伝子組み換え作物、食品添加物など、食の安全・安心についてさまざまな議論が行なわれています。その一方で、極めて無原則に安全・安心が語られている現状もあります。 食や農のビジネスに従事する人間にとって重要なのは、安全性について議論することではなく、食の安全問題にどう立ち向かい、顧客に対しどう振舞うかではないでしょうか。 今回のセミナーでは、(株)リテラシーの西澤真理子氏の講演と、各関連業界人によるパネルディスカッションをとおし、生産から流通・外食まで、食に携わる全ての営業者が食の安全・安心について正しく認識し、どのような役割を果たしていけるかについて考えます。

  • 価格:
    510円
 

【『農業経営者』編集部からのセミナー解説】

 本セミナーでは、食や農に関わる現場で顧客に自社製品の安全・安心をどう伝えるべきかに焦点をあてた。

 第1部は(株)リテラシーの西澤真理子氏が、リスクコミュニケーションについて講演。BSEやGM作物へのメディアの論調が消費者にリスクのイメージを作ってきた事例を紹介。その背景には消費者団体などの声がメディアに載りやすいだけでなく、記者の知識不足もあると分析。リスク社会が到来した現状を解説した。また、一度できたイメージは消えないことを指摘し、生産者や食品業界が情報を発信するコミュニケーションの大切さを訴えた。

 第2部は6名のパネリストが、自身の事業や活動から、食の安全・安心に関する取組みを述べた。

 シンジェンタシード㈱の坂本智美氏は、農薬やGM作物など、リスクのある商品を扱う事業者として、ユーザーが納得できる説明のありかたに言及した。生活協同組合コープこうべ参与の伊藤潤子氏は、そもそも私達が食べている食品はそんなに危険なのか、という問いから始めて、安全の知識や安心を得るための啓蒙活動を、消費者団体として取り組み始めたと説明した。

 ㈱東地区昔がえりの会代表取締役社長の小暮郁夫氏は、同社での取組みを紹介。生産者情報を開示するだけでなく、生産者に自己責任の感覚を根付かせることが大切だという。イーサポートリンク㈱取締役社長の堀内信介氏は、今後の農産物流通の動向として、生産者がGAP取得など安全性対策をしていることが、取引の最低条件としてますます重要になっていくであろうとコメントした。

 「顧客に安全性を十分に伝え、安心を勝ち取るにはどうすればいいのか?」という問いには、各パネリストとも「顧客とのコミュニケーションの積み重ねが大事」で意見が一致。

 ㈱フードスコープ常務取締役の坂井健悟氏は外食産業の役割として

「外食ではお客様に対して、安全さと美味しさという2つの軸がある。実際にはこの2つは関係が深い。美味しさを切り口にして、安全を語っていければと思う」と意気込みを述べた。

  質疑応答では、生産者やメディア関係者が発言。ある大手新聞社の論説委員は、メディアは消費者団体などの意見を載せやすい現状を認めたうえで、食農業界の情報発信力が弱いことを指摘。もし誤報があったなら、積極的に正しい情報を語ってほしいと訴えた。
(本音声は基調講演のみ収録)

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