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『農業経営者』定例セミナー

私の農業、群馬に始まり青森、静岡への展開

  • (株)野菜くらぶ 代表取締役 澤浦彰治
  • 第4回 2007年10月25日

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作物が風土の制約を受けても、経営は風土を超えて発展することで、顧客に対するより高い責任を果たす。地域に根差す原点を失わずに、地域を越えた生産ネットワークを構築し、さらには中国での野菜生産にも取り組む同氏が、地域を越える農業経営を語ります。

  • 価格:
    510円

 

【『農業経営者』編集部からのセミナー解説】

 3名で始めた㈱野菜くらぶは現在54名、今年の売上高はグループ連結で約17億円。ここまでの道のりを代表取締役の澤浦彰治氏が語った。

 同氏は84年に就農。家業のこんにゃく経営を手伝うが、88年に相場が暴落。肥料代も払えず借金も返せない状態で、残ったこんにゃく芋と家庭用ミキサー5台でこんにゃくの加工販売を始めた。営業先のスーパーで、提案された農薬を使わない野菜づくりに、同じような「お先真っ暗」の3人が集まった。

 今から考えれば3人という小人数がよかった。畑で運送屋に出荷すると、3人は「どうする?」という言葉からはじまって、農業問題や将来について徹底的に議論し、それが後の野菜くらぶの理念になった。地域で集まらず、理念が同じ仲間しか入れない姿勢は今も同じだ。また、当初から組合でなく会社組織にしたことで組織が大きくなっても、個人の役割を尊重し、設立当初の志を貫いている。その後、モスフードサービスへの飛び込み営業から、トマトとレタスの出荷を開始し、法人化、最初の社員の雇用へと話は続く。

 その後、夏場のレタスが足りず、担当者に「野菜くらぶの生産者は頑張っているが、会社組織としては何をしているのか?」と問われて悩む。そこに農業で独立したい人を受け入れて支援したいという想いが重なった。02年、夏場のレタスの安定供給のために、青森の第二農場㈲サニタスガーデンを設立。さらに通年供給のために冬の産地として、06年静岡に㈱サングレイスを設立して現在に至る。

 働く人が成長できる組織であり、生産者とお客様、そして株主にも感謝される、バランスのいい会社。それが同氏の野菜くらぶの将来像だ。

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