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『農業経営者』定例セミナー

鹿児島県で畑輪作1000haを目指す、そのビジネスモデルとは?

  • 農業生産法人 株式会社さかうえ 社長 坂上隆
  • 第6回 2007年11月22日

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鹿児島県・志布志に分散する平均20aの畑で、同氏は加工バレイショと青汁原料のケールを生産。そして畜産地帯での新しいビジネスとして、家畜糞尿の受け入れを複合したコーンサイレージ生産を行ない、1000haの経営を目指しています。輪作による土作りも含めた、同氏の新たな事業を聞きます。
  • 価格:
    510円

 

【『農業経営者』編集部からのセミナー解説】

 500馬力のコーンハーベスタで80haのトウモロコシを収穫、4tダンプでバンカーサイロに積み込み、7tローダーの踏圧で乳酸発酵を促す。できたサイレージを、ローダーでロールベーラに入れて再梱包する。この工程をゼロから創りあげたのが、㈲坂上芝園専務取締役の坂上隆氏だ。剣道7段、力強い語調で事業を語る。

「私が話ができるとすれば、能力とか技術がどうこうの話ではありません。農業のコテコテの考え方ではなくて、面白い考え方もできるという話です」 もとは加工用ジャガイモ、サツマイモ、ケールの契約栽培をする野菜農家。センチュウ対策にかかる農薬費を抑えるために、緑肥を植えたことが始まり。当初はすき込んでいたのだが、畜産農家にもったいない分けてくれと言われ「これは仕事になる」と考えた。園芸部門での経営余剰・人材・機械を輪作の飼料作物に利用し、サイレージ加工して畜産農家に販売して堆肥をもらうというビジネスモデル、有機的な農業の輪が始まった。

 03年、12にトウモロコシ・ソルゴーを混播して、販売先の酪農家から機械を借りて収穫、これをサイロまで輸送する生草販売を始めた。実際やってみると家畜農家と野菜農家での意識の違い、サイロの整備状況など、いろいろわかった。次年は大分や北海道などの粗飼料供給事業やコントラクター、大規模酪農家等を視察。一度サイロに詰めたものを再ロールするという、常識外れのアイディアはここから得た。

 翌年、台風に強い作付けを可能にするスエーデン製キャリアー、硬盤破砕するプラソイラなどに自己資金を投資して、本格的に牧草事業を開始。業者の捨てコンでバンカーサイロを造成。ロールで巻いたものを一度ばらして、再梱包できるか農機メーカーを集めて実験した。できたサイレージを分析センターで品質検査すると、重機で踏むため発酵は良好だった。畜産農家は飼料を外国産に依存しているのが経営の弱みだが、国内で採算にのせて生産できるとは誰も思っていなかった。

 売上目標は100億円と掲げながらも、坂上氏の語り口は飄然としている。「耕地を管理して社会の需要がある時にいつでも使えるようにしておきたい。野菜では無理だが、機械化できる飼料作物ならそれができるから」

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