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『農業経営者』定例セミナー

必要なものを効率よく入れる施肥設計術

  • 農業コンサルタント 関祐二
  • 第17回 2008年07月04日

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「土を調べて必要最低限の肥料を施す」--この基本技術を押さえているだろうか。土の中の成分を科学的に調べると、かなりの畑が尿素単肥や硝酸石灰の施用だけで健全で多収量になり、成分過剰害を抑えられる。この秋以降の肥料高騰を迎える前に、必要なものを効率よく入れる施肥設計を習得したい。
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【『農業経営者』編集部からのセミナー解説】

 肥料代が高騰している今、必要な成分を効率よく入れる施肥設計術の重要性が増している。7月4日の定例セミナーでは、農業経営者でありながら、同時に土壌コンサルタントとして活躍する関祐二氏に講演をお願いした。

 

 日本の農地に多い火山灰土は、世界の農業地帯の土と違って、成分が抜けきった土だ。だからこそ、かつては肥料を入れると入れただけ取れて、施肥設計が根付かなかった。そして「幕の内弁当」のような複合肥料を、セット販売で買う習慣が普及した結果、成分過剰という問題が膨らんでいった。今、日本の土を調べると全リン酸が3%を超える土がざらにある。

 関氏もかつて、自分の茶園の土壌診断をしたら有効態リン酸が150mgもあった。茶園の適正な有効態リン酸は10mgほど。だからリン酸施肥はゼロでもリン欠乏にならないとわかっても、入れないことの不安があった。

 自分の不安を取り除くためには、リン検定がお勧めだ。キュウリの苗を買って、検定する土と育苗培土と比べて栽培する。リン欠乏なら生育の最初のところで苗が大きくならず、本葉が立つような状態になる。「科学的な土壌学は2割くらい役に立つが、残りの8割はやはり勘と経験」という関氏。科学だけで心配なら、自分を安心させる方法を見つければいいという訳だ。


▼セミナー参加者の声がこちらからお聞きになれます。

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