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【新・農業経営者ルポ】
動物園御中。今後はもう餌の心配はいりません
- (有)クローバーリーフ 代表 西窪武
- 第37回 2007年07月01日
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とてつもない急坂を器用に降りていく。坂には一面の孟宗竹。素人の自分には単なる竹藪にしか見えないが……実はここが日本で二人といないプロフェッショナルの「農場」だった。『クローバーリーフ』の西窪武氏が、切り倒した竹から枝葉を刈り、茶色い葉を落としながら話す。
「ジャイアントパンダは1日に20kg、竹3本分くらい食べるね。レッサーパンダは1日に2kgくらい。今は和歌山県の『アドベンチャーワールド』にいる双子のジャイアントパンダとその親の分、京都市動物園、大阪の天王寺動物園のレッサーパンダの分など全国7カ所の動物園に納めてるよ」 年商は約5000万円。西窪氏自身も「ウチのほかには聞いたことがない」というビジネスだ。一見、誰にでもできそうなことに思えるが、話を聞くうちに印象が変わってくる。
「4月から6月はちょうど葉が入れ替わる時期で、美味しい竹が採れないんです。だから、暖かいところ、寒いところ、いろんな場所の竹藪を買ったり借りたりして、1年中いい竹を届けています。といっても最近は温暖化の影響で何があるかわからない。難しいものなんですよ(笑)」 西窪氏は坂を下りられない筆者を見上げ「だって自然を言い訳にできないから」と言う。竹の枝葉が束になったところで、彼は急斜面を登ってトラックに積み上げ始めた。見渡せば西窪氏の厳しい言葉とは裏腹の、のどかな山並が広がっていた。
「ジャイアントパンダは1日に20kg、竹3本分くらい食べるね。レッサーパンダは1日に2kgくらい。今は和歌山県の『アドベンチャーワールド』にいる双子のジャイアントパンダとその親の分、京都市動物園、大阪の天王寺動物園のレッサーパンダの分など全国7カ所の動物園に納めてるよ」 年商は約5000万円。西窪氏自身も「ウチのほかには聞いたことがない」というビジネスだ。一見、誰にでもできそうなことに思えるが、話を聞くうちに印象が変わってくる。
「4月から6月はちょうど葉が入れ替わる時期で、美味しい竹が採れないんです。だから、暖かいところ、寒いところ、いろんな場所の竹藪を買ったり借りたりして、1年中いい竹を届けています。といっても最近は温暖化の影響で何があるかわからない。難しいものなんですよ(笑)」 西窪氏は坂を下りられない筆者を見上げ「だって自然を言い訳にできないから」と言う。竹の枝葉が束になったところで、彼は急斜面を登ってトラックに積み上げ始めた。見渡せば西窪氏の厳しい言葉とは裏腹の、のどかな山並が広がっていた。
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西窪武 ニシクボタケシ
(有)クローバーリーフ
代表
京都府南山城村。1949年、京都府加茂町生まれ。68年に京都府立木津高校の農業科を卒業し、兄が経営する酪農業の法人に入る形で就農、その後1年間米国の農業実習に参加する。帰国後に独立して乾燥牧草を売るビジネスを始めるが軌道に乗らず、84年から京都市動物園へ生の牧草を納入し始めようやく事業が本格化。現在は三重県伊賀市にある約40haの農地で牧草を育てるなどし、大阪・天王寺動物園、神戸・王子動物園など全国12カ所の動物園と取引を行なう。
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