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新・農業経営者ルポ

モノでなく、顧客の必要に応える農業経営を目指す

 現在の70haから、やがては1000ha、2000haという経営単位でそれを実現できる経営管理システムの実現を坂上さんは目指している。現在のやり方を発展させていけばそれは十分に可能だという。

 収益を上げられなければ農地の管理はできない。収益が上げられる人に農地を預けてこそ農業は守られるのだ、と編集長は言う。

 坂上さんがこれだけの土地を集められるのは、農家が高齢化し、離農により農地が余ってきているという地域事情もあるが、坂上さんが地権者の納得の行く形で土地を集め、なおかつ、未来に対する農地管理への責任を自覚している人だからなのだろう。

 除草剤で済ませばすむものを手間をかけてカルチがけをする。地主にも、畑にも、作物にも、そして何より顧客に選ばれて必要とされる生産者たろうとする坂上さんなのだ。


商売と自然と人間と農業の輪

「農業という仕事の成功は、商売の循環(サイクル)と自然の循環を無理なく回しながら繋いでいく知恵次第なのではないか。商売と自然と人間と農業をうまく回して繋いでいくことは、時代が進むにつれてますます必要になっていく」と、坂上さんは話す。
 そして、自然の摂理に沿った無理をしない農業が肝心なのだと。

 坂上さんは、NHKで放送した「地球シュミレーター」という番組で地球温暖化の危機が描かれたのを観たそうだが、「農業という仕事は、その上で大事な役割を担っている」と話す。

 そのためには、農業経営での時間の観念をどう自分のものにするかが大切になってくる。時間に追われず、時間を追う。それをできる者が経営者として成功する。

 ほかの仕事は、一年中8時間は8時間かもしれないが、お天道様次第の農業では、冬と夏では時間の速さが違う。時間の流れ(作物や雑草の生長)が緩慢な冬こそが時間を稼げる時であり、夏はその結果としての作物の生長段階であり、作業計画を淡々と実行すればよい。

 また、なにより段取りと準備が大切。お天気はギャンブルみたいなもの、物事はうまくいかなくて当たり前。だから万全の準備するのだ、と坂上さんは言う。

 チャンスを掴むには、普段の努力と準備がなにより必要なのだと。

 私は、今までたくさんの著名人をインタビューしてきた。経営者、プロスポーツ選手、メダリストなど、活躍した人ほど「準備」という言葉をよく使う。「準備万端」ということがいかに大事かと。

 坂上さんの話を聞いて、農業もまさにそうではないか、と感じた。冬に働ける者が成功者たりえる。

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