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新・農業経営者ルポ

語り、伝え、消費者に媚びない農業を

 「農家は、自分が作った農産物の本当のよさ、農業のよさを伝えないできたんじゃないか。農家っていうのは、命ある食べ物を生産する仕事。その農家がコスト削減や経営効率ばかりにこだわるようでは、本当に心身のためになるような農産物はできないですよ。愛情を込めて育てた農産物が買いたたかれるのもおかしい。根気よく話して、消費者の心を耕していければ」

 食の安全が注目されている今こそ、農を再生する最後のチャンスではないか、と新開さんは感じている。

 「消費者に対して、しっかりものを言える人を育てることが大事。消費者に媚びない農業と言っているけれど、それは、言い換えれば、消費者に感謝される農業、こちらも買ってくれることに感謝する農業という意味でもあるんです」

 その心をつなぐために、時間の許す限り直売所に立ってお客さんに農産物の説明をして回り、夕方からは畑作業をこなす。ぶどう収穫期には早朝の農作業もこれに加わる。

 「私たちが引退したときのために、いずれは、農園部門も持つ会社にしたい。そのためには、社員たちをこれから鍛えなければ」

 “耕すおばちゃま”は、まだまだ休めそうにない。

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