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【新・農業経営者ルポ】
農家としての価値観。実業家としての夢
- (有)四位農園 四位廣文
- 第11回 2005年04月01日
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宮崎県西諸県郡。温暖な気候に恵まれ、遥かに霧島連山を見渡せる山あいの地で、(有)四位農園は企業的な畑作経営を展開している。
現在の経営面積は約90haに及び、圃場は大小合わせて100カ所近い。それらを年間で平均2.5回転し、主な野菜だけでも10品目以上を生産する。ほぼすべてが外食、生協、そうざいメーカー、飲料会社や冷食会社などとの契約栽培だ。
作付けから収穫までのシステムは精緻を極める。発注から逆算して育苗から収穫までの計画を立て、商品の出荷時期や用途に合わせて作型を決める。作業の流れや栽培履歴は圃場ごとにデータ化し、日報とともにコンピュータ管理する。
「何も無理はしていません。ただ、努力はしていますけどね」。社長の四位廣文は言う。経営者としては何よりも「収支」をにらみ、年間を通じて、常に作物を出荷し続けられる仕組みを構築してきた。「要するに適地適作。気象をうまく利用して作物を育て、適期収穫を心掛ければいい。自然に逆らわず、当たり前のことを当たり前にやれば、低コストで本物の野菜が出来る。自ずと顧客も付いてくるんですよ」
1951年、四位は同県野尻町の専業農家に生まれた。跡取りとして育てられ、農業高校に入学すると、すぐに作業を手伝った。当時は約2haの農地で陸稲とデンプン・焼酎原料用のサツマイモを作り、あとは和牛を飼うという暮らしだった。
高校卒業を前に、農林省園芸試験場久留米支場の研修生に応募した。教師からは「難しいからやめておけ」と、他の教育機関を勧められたが、四位は聞かなかった。「農業をすることに違和感はなかった。ただ、やるからには自分なりの目標を持ちたかった。世の中はどんどん進んでいるはずだと思っていたから」
無事合格を果たすと、2年間、試験場で研修を受け、その間に通信教育で商業簿記も身に付ける。「ものを作りながら、どうすれば利益を上げられるか」。農業を事業ととらえるようになったのは、その頃からだと言う。「企業的な農業をしたい。社長になり、実業家として農業をやりたい。そんな夢が芽生えてきた」
現在の経営面積は約90haに及び、圃場は大小合わせて100カ所近い。それらを年間で平均2.5回転し、主な野菜だけでも10品目以上を生産する。ほぼすべてが外食、生協、そうざいメーカー、飲料会社や冷食会社などとの契約栽培だ。
作付けから収穫までのシステムは精緻を極める。発注から逆算して育苗から収穫までの計画を立て、商品の出荷時期や用途に合わせて作型を決める。作業の流れや栽培履歴は圃場ごとにデータ化し、日報とともにコンピュータ管理する。
「何も無理はしていません。ただ、努力はしていますけどね」。社長の四位廣文は言う。経営者としては何よりも「収支」をにらみ、年間を通じて、常に作物を出荷し続けられる仕組みを構築してきた。「要するに適地適作。気象をうまく利用して作物を育て、適期収穫を心掛ければいい。自然に逆らわず、当たり前のことを当たり前にやれば、低コストで本物の野菜が出来る。自ずと顧客も付いてくるんですよ」
社長になり実業家として農業をやりたいという夢
1951年、四位は同県野尻町の専業農家に生まれた。跡取りとして育てられ、農業高校に入学すると、すぐに作業を手伝った。当時は約2haの農地で陸稲とデンプン・焼酎原料用のサツマイモを作り、あとは和牛を飼うという暮らしだった。
高校卒業を前に、農林省園芸試験場久留米支場の研修生に応募した。教師からは「難しいからやめておけ」と、他の教育機関を勧められたが、四位は聞かなかった。「農業をすることに違和感はなかった。ただ、やるからには自分なりの目標を持ちたかった。世の中はどんどん進んでいるはずだと思っていたから」
無事合格を果たすと、2年間、試験場で研修を受け、その間に通信教育で商業簿記も身に付ける。「ものを作りながら、どうすれば利益を上げられるか」。農業を事業ととらえるようになったのは、その頃からだと言う。「企業的な農業をしたい。社長になり、実業家として農業をやりたい。そんな夢が芽生えてきた」
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四位廣文 シイヒロフミ
(有)四位農園
1951年生まれ。農業高校入学と同時に就農。71年からゴボウ・サトイモの生産に取り組み、その後、父親とともに集荷業を開始。89年農園を法人化し、国内自社生産にシフトする。現在は約90haで多品目の野菜を栽培し、外食、生協、スーパー、食品加工会社、飲料メーカーなどに供給。年間売上高は約9 億円。
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