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【叶芳和が訪ねる「新世代の挑戦」】
米国に学び技術革新と財務 分析で儲かる養豚業に成長 グローバルピッグファーム(株)(群馬県渋川市)
- 評論家 叶芳和
- 第11回 2007年07月01日
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今、養豚業界はFTA交渉による市場開放問題に直面している。既に豚肉の国内自給率は50%を切っている。しかし、赤地社長は保護政策には反対である。「保護ではなく、国内生産者が強くなるための規制緩和が必要」と語る。規制が生産コスト削減の障害になっているからだ。
日本の養豚業の競争力を弱めているのは、飼料用トウモロコシの輸入関税と、食肉処理施設問題である。国内のでんぷん業界を保護するため、飼料用トウモロコシは50%の高関税がかかっている(ただし自家配工場は関税割当で無税)。また、食肉処理施設については、欧米では24時間体制で食肉検査が行なわれている。日本もブロイラーの食肉検査は民営化され、3シフト(24時間体制)で検査しているが、養豚の食肉検査は依然、都道府県で担っており、1日8時間しか検査しない(土日も休み)。これでは操業度が低く、償却コストが高い。
このように、国内の養豚生産者は競争上ハンディキャップを負っている。この不利を撤廃すれば、国内生産者の競争力は高まる。
赤地社長は「豚肉は、輸出も夢ではない」と言う。台湾に内臓を、中国の高所得層向けにしゃぶしゃぶ用の豚肉を輸出する。遠い将来の夢ではなく、自社のパッキングプラントが稼動する2、3年後の実現を目指している。これは日本農業の発展戦略につながる発想だ。
日本の養豚業の競争力を弱めているのは、飼料用トウモロコシの輸入関税と、食肉処理施設問題である。国内のでんぷん業界を保護するため、飼料用トウモロコシは50%の高関税がかかっている(ただし自家配工場は関税割当で無税)。また、食肉処理施設については、欧米では24時間体制で食肉検査が行なわれている。日本もブロイラーの食肉検査は民営化され、3シフト(24時間体制)で検査しているが、養豚の食肉検査は依然、都道府県で担っており、1日8時間しか検査しない(土日も休み)。これでは操業度が低く、償却コストが高い。
このように、国内の養豚生産者は競争上ハンディキャップを負っている。この不利を撤廃すれば、国内生産者の競争力は高まる。
赤地社長は「豚肉は、輸出も夢ではない」と言う。台湾に内臓を、中国の高所得層向けにしゃぶしゃぶ用の豚肉を輸出する。遠い将来の夢ではなく、自社のパッキングプラントが稼動する2、3年後の実現を目指している。これは日本農業の発展戦略につながる発想だ。
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叶芳和 カノウヨシカズ
評論家
1943年、鹿児島県奄美大島生まれ。一橋大学大学院経済学研究科 博士課程修了。元・財団法人国民経済研究協会理事長。拓殖大学 国際開発学部教授、帝京平成大学現代ライフ学部教授を経て2012年から現職。主な著書は『農業・先進国型産業論』(日本経済新聞社1982年)、『赤い資本主義・中国』(東洋経済新報社1993年)、『走るアジア送れる日本』(日本評論社2003年)など。
叶芳和が訪ねる「新世代の挑戦」
農家は減る一途、そういう中で、地域の農業を維持・発展させる動きがビジネス側から出てきた。借地による規模拡大も容易になった。新しいビジネスモデルが農業の近代化を推進し始めた。商系も農家も新世代の事業家がこれまでにない農業の創造に動いている。
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