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【北海道長沼発ヒール・ミヤイの憎まれ口通信】
中年の主張「ものづくりとは……」
- 西南農場 代表取締役 宮井能雅
- 第12回 2009年03月01日
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ほとんど実りのないフランスのファームショー
そこそこ儲かった農家はこの冬、どこに遊びに行こうか、などと考えているのかもしれない。決して多くはないが、北海道の一部の農家たちはこの冬の期間を利用して、海外ツアーに出掛ける。
ある者は東南アジアの快春ツアー、ある者はヨーロッパ、そしてほんの一握りの者だけが米国に出掛ける。まったく寂しい話だ。正直なぜ農業の勉強のためにヨーロッパに行く必要があるのだろう。
たとえば隔年で開催され、本年は2月22日からパリ郊外、シャルルドゴール飛行場そばで行なわれるシーマショウが有名だ。確かに室内で行なわれるファームショウとしてはドイツ・ハノーバー・アグリテクニカの次に大きなものではあるが、残念ながら得るものがない。この魅力のないシーマショウになぜか3回ほど行ったが、収穫は限りなくゼロといえるだろう。なぜか?それは簡単だ、フランス人が経営しているからだ。
たとえばインターネットが普及する前に、10名くらいで初めてシーマに行った時にやはり何か感じるものがあった。それはこいつらがフレンチ(インチキ)くさいということだ。
一緒に行った数名が興味のある機械メーカーのブースに名刺を置き、後ほどパンフレットを送ってもらうように頼んだ。だが、パンフレットを送ってもらった者は私の知る限りゼロ。いかなる理由で郵送しないのかはわかりかねるが、ゼロは足しても引いてもかけても、ゼロはゼロにしかならない。それが、ドイツ・ハノーバーで同じようにパンフレットの郵送をお願いすると50%の確率に上がる。米国のファームショウでは90%の確率でパンレットが郵送される。昨今のインターネットの普及で資料請求などというアナログ的行為は廃れてきているが、対人間心理の行動パターンとしては面白い結果だと思う。ところが、北海道にはその様なフランス、イタリアの会社と取引きできる農機具店がある。建前は米国製が大きすぎて使えない、ヨーロッパ製は北海道にピッタリのサイズの機械があると言うが、本音は価格が米国製よりも安いだけの話である。使いやすさ、丈夫さ、部品供給を考えた場合、間違いなく米国製の優位が揺らぐことはない。
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宮井能雅 ミヤイヨシマサ
西南農場
代表取締役
1958年3月、北海道長沼町生まれ。現在、同地で水田110haに麦50ha、大豆60haを作付けする。大学を1カ月で中退後、農業を継ぐ。子供時代から米国の農業に憧れ、後年、オーストラリアや米国での農業体験を通して、その思いをさらに強めていく。機械施設のほとんどは、米国のジョンディア代理店から直接購入。また、遺伝子組み換え大豆の栽培を自ら明かしたことで、反対派の批判の対象になっている。年商約1億円。
北海道長沼発ヒール宮井の憎まれ口通信
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