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【農水捏造 食料自給率向上の罠】
日本の自給率政策のお手本「英国」、自給率向上を国策にしない根拠を発表
- 農業ジャーナリスト 浅川芳裕
- 第5回 2009年03月01日
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「自給率は見当違い」英国政府
自給率向上に代わる農業の成長性指標を探せ―――先月号から先進国の事例紹介を開始した。初回は米国の農業戦略に触れ、国家公務員の権限を使って関与できる農業成長政策とその職責によって果たせる目標値について言及した。
今回は英国を取り上げるが、政策や指標そのものが今回のテーマではない。英国政府(Defra、英国環境・食料・農村地域省)が発表したなぜ“自給率向上を国策にすべきでないか”の理由を真正面から論証した文書がある。原題を直訳すると「食料安全保障と英国~証拠と分析文書~」。10章100頁に渡り、緻密な議論が紡がれている。日本と同じ純輸入国でありながら、日本と全く逆の政策判断をした英国政府の主張とその根拠は何かを紹介したい。
結論からいうと、「農業生産による食料自給率の変動を中心に食料安全保障を議論することは、不均衡(unbalanced)であり、根拠薄弱で(weak)、取るに足らず(poor)、見当違いで(misplaced)、判断を見誤らせる(misleading)」。辛辣な形容である。なぜそうなのか。文書の大意を一気にまとめた。
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浅川芳裕 アサカワヨシヒロ
農業ジャーナリスト
1974年山口県生まれ。1995年、エジプト・カイロ大学文学部東洋言語学科セム語専科中退。アラビア語通訳、Sony Gulf(ドバイ)、Sony Maroc(カサブランカ)勤務を経て、2000年、農業技術通信社に入社。元・SOGULマーケット専門官。元月刊『農業経営者』副編集長。現在ジャガイモ専門誌『ポテカル』編集長。2010年2月に講談社より発行された著書『日本は世界5位の農業大国-大嘘だらけの食料自給率-』がベストセラーになる。最新刊に『TPPで日本は世界1位の農業大国になる ついに始まる大躍進の時代』(KKベストセラーズ)がある。
農水捏造 食料自給率向上の罠
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