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【今年の市場相場を読む 】
貯蔵性のある周年型野菜のメリハリ
- (株)農経企画情報センター 代表取締役 小林 彰一
- 第147回 2008年10月01日
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ゴボウ 伝統的産地と新興産地の役割が。目先を変えた提案が浸透
【概況】
東京市場のゴボウは、シェア46%と他産地を圧倒する青森、続く茨城が代表的な周年供給産地となっている。それに続く群馬、埼玉などを「関東産地」という括りにすると、これだけで3割のシェアがある。一方、西の産地としては熊本、宮崎、鹿児島などが中心で、春に出荷の割合が高い。需要期は秋以降で、12月にピークがある。かつて多かった中国産の入荷は、5%程度にまで落ちている。
【背景】
青森、茨城は、ともに歴史あるゴボウの貯蔵・加工産地である。また関東に出荷産地が多いのも、大型消費地である首都圏という立地と関係がある。貯蔵、洗浄、袋詰めなどの加工機能との抱き合わせで、供給を安定させている。小売、需要者側には非常にありがたい機能であり、価格の安定にも寄与している。このように需要の基幹部分への供給体制は整っているが、旬や季節性などを訴求して販促を仕掛けるような対応力はない。
【今後の対応】
近年、春ゴボウや新ゴボウのような旬の訴求や、外食関係でもフリッターやチップ形態など、新しく若年層向けのメニュー提案をしている例が目立つ。しっかりした周年供給体制と調整機能が前提にあるため、外食側でもメニュー化がしやすい事情がある。地味な品目での意外性、という着眼もあるだろう。新興の季節性の強い産地が、消費者や業務用に対して積極的に提案し、ゴボウの需要全体をけん引するくらいの意欲がほしいものだ。
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小林 彰一 コバヤシショウイチ
(株)農経企画情報センター
代表取締役
青果物など農産物流通専門のジャーナリスト。(株)農経企画情報センター代表取締役。「農経マーケティング・システムズ」を主宰、オピニオン情報紙『新感性』を発行。著書に、『ドキュメント青果物市場』、『日本を襲う外国青果物』、『レポート青果物の市場外流通』、『野菜のおいしさランキング』などがあるほか、生産、流通関係紙誌での執筆多数。
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