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独断注目商品REVIEW

専用培土入りバッグで高糖度トマトの栽培を普遍化!

近頃はミニトマトの「フルーツ化」が進み、甘さを売りにした商品が増えてきた。これらの高糖度トマトは、灌水量を減らしたり、養液濃度を高めるなどして、根の給水量を制限することで作り出されている。野菜嫌いの子供でも喜ぶ人気の食材だが、水耕施設の導入や、限られた土壌条件が必要となってくるため、その栽培は誰もが真似できることではなかった。
トマト専用培養土 バッグ栽培のうまトマト

 近頃はミニトマトの「フルーツ化」が進み、甘さを売りにした商品が増えてきた。これらの高糖度トマトは、灌水量を減らしたり、養液濃度を高めるなどして、根の給水量を制限することで作り出されている。野菜嫌いの子供でも喜ぶ人気の食材だが、水耕施設の導入や、限られた土壌条件が必要となってくるため、その栽培は誰もが真似できることではなかった。

 今回は、そんな高糖度トマトを思いのままに生産できる驚きのアイテムを紹介しよう。「バッグ栽培のうまトマト」と名づけられたこの商品は、トマトの新品種を開発したわけではない。普遍化された栽培技術そのものを商品化しているのである。栽培土壌をコンパクトなバッグに詰めることで灌水管理を容易にし、糖度8・5以上のミニトマトをどこでも誰でも量産することができるというのだ。

 そのシステムはいたってユニークである。排水穴の開いたバッグに有機質培養土が詰まっており、開封して切り口を折り返せば、そのままプランターとして使うことができる。1袋あたりの培養土は27rで、ミニトマト4株の栽培が可能。10aあたりでは800バッグ、3200株を栽培できる計算である。適性品種はみかど協和1の「ラブリーさくら」で、タキイ種苗1のミディトマト「フルティカ」も、ミニトマトに準じた方法で栽培できる。標準栽培型は周年生産、収穫は8〜10段取り(平暖地の夏作は5〜6段取り)である。なお、使用期間は2年で、もし土壌障害や連作障害が発生しても、当該バッグを取り除くだけで済む。

 また、発売元が肥料業界の老舗で知られる川合肥料1だけに、培養土の配合には特に力が入っている。完熟堆肥にピートモス等を混合したCEC(塩基置換容量。肥効成分を蓄えられる量を示す)の高い培地に、天然発酵肥料、発酵海藻、卵殻、甲殻類などをブレンド。ミニトマトの成長段階により追肥も施すが、あとは灌水用スプレーノズルを培養土に差し、水のみを加減して与えれば、おいしい高糖度トマトができる仕組みである。

 「消費者にとって食べておいしいことはもちろん、栄養価が高くて、健康増進機能に優れる野菜を作りたかった。マニュアル通りに栽培すれば収量も安定して得られ、安全・安心も訴求できる。それでいてあまり高価にならず、国民的健康に寄与できる価格帯を実現することも重視した」と、川合肥料は同商品の開発コンセプトを語る。高糖度トマトは幅広いニーズを持つ人気商材だけに、安定需要が見込めることも魅力である。

 バッグを並べるだけなので施設への投資コストを抑えられ、栽培上の失敗リスクも低いこの商品。いわゆる「農業のサラリーマン化」によって農場管理を円滑にしたい方や、土地利用型農業との複合経営を検討されている方には、見逃せない存在になるはずだ。(土井学)


■お問い合わせ
川合肥料(株)
〒433-0068
静岡県磐田市前野2226番地
TEL:0538-35-6450
http://www.orange.ne.jp/̃hiryo

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