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リレー訪問 農場に勤める誇りと夢

[前編]改善に次ぐ改善で、自慢の卵の品質を追求

  • (有)コッコファーム(熊本県菊池市)×(有)大串農園(高知県宿毛市) 選卵部門工場長×生産課課長 堺浩司×森誠
  • 第26回 2008年09月01日

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卵や鶏肉などの生産から販売までを自社で手がけているコッコファーム。農場内には直産所やレストランなどが設けられ、卵を買い求める客が朝早くから行列をつくるという。大串農園の森誠氏が、同社堺浩司氏のもとを訪れ、行列ができる理由や品質改善に関する取り組みについて話しを聞いた。
行列のできる卵づくり

森 実は、うちのオーナーが去年、こちらの農場に遊びに来たことがあるんですよ。話には聞いていたんですけど、農場内にはいろいろな施設がありますね。

堺 熊本までわざわざ来て下さったんですね。ありがとうございます。うちの農場は農業を軸にしたテーマパークを目指しています。10万gくらいの敷地に、卵や鶏肉、加工食品を販売する直売所やレストランのほか、卵の殻を肥料に使っているバナナ園などもあります。主に熊本周辺の方が来て下さっていますね。

森 堺さんはどんな仕事を担当されているんですか?

堺 僕は、鶏が産んでくれた卵の選別や箱詰め、出荷などをする「選卵」というセクションで工場長をしています。いかにして産みたての品質を保ち、直売所にいい商品を出すかというのが仕事です。

森 その卵は、オーナーがおみやげに買ってきてくれて、スタッフのみんなで食べましたよ。すごく美味しかったですね。スタッフも喜んでいました。

堺 それは嬉しいですね。うちの卵は箸でつまめるくらい、本当にプリプリしていて、その品質には自信があります。

森 直売所には卵目当てのお客さんで、開店待ちの行列ができるそうですね。

堺 1箱に卵3kgが入った1050円の商品が特に人気です。1日に700~800箱、日曜日になると1000箱以上売れることもあります。年末には、朝10時オープンなのに8時前から並んで下さる方もいて、開店から1時間半くらいで全部売れてしまうこともあるんです。

森 それは凄いですね。

堺 鶏肉を買うために並んでいる業者さんもいらっしゃるんですよ。新鮮で美味しい肉を出すために、生後450~500日前後の若い鶏の肉を出しているんです。

森 卵や肉はレストランでも使われているんですよね?

堺 はい。農場内では、自社で生産したものか、それを素材に加工した商品しか出さないという方針です。うちの商品の7~8割はこの農場内で販売しています。

森 ここだけで、そんなに売れているんですか。ほかに大きな取引先があるものだと思っていました。鶏の育て方にもいろいろと工夫をされているんでしょうね。

堺 コンピューターで湿気や温度を管理するなど、なるべく鶏に負荷をかけないように育てています。もちろん餌にもこだわっていて、自社生産したニンニクや消臭効果のある炭を餌に混ぜて、滋養強壮や肉の臭みの軽減を図ったりもしています。また、卵は生ものですし、割れやすいので、病原菌などにも注意しています。ISO9001を取得して、それに則った手順で作業を進めることで、安全なものを提供できるような品質管理をしています。品質管理室という部署もあって、毎日、全商品の抜き取り検査もしているんですよ。

森 きちんと管理されているんですね。お客さんがガソリン代をかけてもこちらの農場に来るのは、こういった取り組みの成果なんですね。

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