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【リレー訪問 農場に勤める誇りと夢】
[後編]見つけたのは「やりがい」 「聞くだけ」ではなく、「成長」のある仕事をする
- (有)大串農園(高知県宿毛市)×(有)ジェイ・ウィングファーム(愛媛県東温市) 山下千代理・森誠×齋藤碌
- 第25回 2008年08月01日
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農場と顧客をつなぐ仕事
齋藤 山下さんは電話でお客さんの対応をしているそうですが、クレームを受けることもあるわけですよね。そうしたお客さんと直接対応することを考えると、生産現場とはまた違った大変さがありそうですね。
山下 クレーム対応は私の仕事の中でも一番大変な仕事ですね。精神的に追い詰められることもあるんですけど、そういうことも含めてどうにかできないと続きません。だから顧客対応を担当しているスタッフは強者揃いですよ(笑)。
齋藤 でしょうね(笑)。うちに来たクレームでは、籾殻が一かけら入っていただけで「おかしい、返品」なんて言われることもありました。
山下 それは、かなり凄いですね。そこまでのクレームはないんですけど、うちで作っている文旦の味についてや届いたら腐っていたというようなクレームなど、内容は本当にいろいろです。
森 もとより、問題のない良い品物を送りたいんですが、うちは手作業で選別しているので小さな腐りを見落としてしまうこともあるんですよ。
齋藤 うちの農場で作っているキャベツでも同じようなことがあります。小さな腐りでも輸送中に蒸れて大きくなってしまうんですね。農薬を使えば、そんな腐りを抑えられるのかもしれませんが、お客さんには農薬をあまり使うなとも言われる……。
森 農薬は難しいですよね。散布する時に周囲への飛散が気になって作業を止めることもあるんですが、病害のことを考えると農薬をかけないわけにもいかない。
齋藤 そんな風に地域のことも考えて作業するのは大事なことだと思います。むしろ僕が気になるのは、農産物に対するお客さんの見方です。クレームや農薬に対する反応からは、農産物と工業製品が同じように見られているように感じますね。それに安いから買うという人もいるじゃないですか。どんな人の要望も分け隔てなく聞いていたら、逆に商品の価値が下がることもあるんじゃないかと思います。ブランド品のバッグにしても持つ人によって価値が落ちることもあるわけで、それは農産物も同じだと思いますね。ただ、あまり自己満足ばかりでは売れなくなるだろうし、その辺りの見極めが難しいですね。
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山下千代理・森誠×齋藤碌 ヤマシタチヨリ・モリマコト×サイトウロク
(有)大串農園(高知県宿毛市)×(有)ジェイ・ウィングファーム(愛媛県東温市)
やました・ちより●1979年高知県大月町生まれ。高校卒業後、働きながら学ぶ就職進学制度で福祉系の短大に進学し、紡績会社に勤務。その後、神奈川県のクリーニング店でサービス業務に従事。02年高知県に帰郷。05年(有)大串農園入社。現在、お客様サービス課で、主に電話での顧客対応を担当している。
もり・まこと●1979年高知県四万十市生まれ。高校卒業後に上京し、大手スーパーの鮮魚課、青果課に勤務。04年高知県に帰郷し、(有)大串農園に入社。07年より生産課の課長として生産現場全般の管理も行なっている。
さいとう・ろく●1981年京都府南丹市生まれ。愛媛大学農学部在学中からアルバイトとして(有)ジェイ・ウィングファームに勤務。03年同大学卒業後、米国の畜産農家のもとで2年間研修。05年帰国後、ジェイ・ウィングファームに復帰。主に生産部門を担当する。
リレー訪問 農場に勤める誇りと夢
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