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農業技術進化系

リモートセンシング 衛星リモートセンシング活用もすでに実用化 農業情報の測定と有効利用について研究進む

  • (独)農研機構 近畿中国四国農業研究センター 環境保全型野菜研究チーム  奥野林太郎
  • 第18回 2008年08月01日

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「リモートセンシング」とは、離れた場所から光や電磁波の反射などを用いて作物や畑の状態を測定する手法である。これまで、土壌の水分状態や肥沃に関する情報、作物の栄養状態や生育段階に関する情報などを測定する方法が研究されている。 
 私は北海道農業研究センター在籍時に、小麦生産での衛星リモートセンシング活用に関する研究に携わった。この技術は2005年より北海道芽室町で導入されている。北海道の大規模畑作地帯では機械や施設を共用しているケースも多く、収穫を行なう圃場の順番を決める作業が重要となる。同時に、収穫が早すぎると小麦の水分含有量が多く乾燥にかかるコストと時間が増加し、収穫が遅れて低温・降雨に当たると品質低下を招くため、収穫時期の正確な把握も必要である。そこで小麦収穫が始まる1~2週間前に撮影された衛星画像から成熟期の早晩を精度よく表す手法を開発(図A)。この手法で「生育早晩マップ」を作成し、収穫作業で利用するという試験を02年から04年の3年間実施した。その結果、以前に比べて小麦乾燥のコストを約3割減少できた(図B)。これは、生育状況に沿って作業ができたことで、高い水分で収穫される小麦が減少し、乾燥施設に集荷される小麦の水分のばらつきが少なくなったことを示している。導入後はJA職員が衛星画像から生育早晩マップを作成し、乾燥施設の運用計画や収穫を行っている農家集団に提供。収穫作業の効率化に利用されている。また、経済的な効果だけではなく、収穫順番を決める際に客観的で明快な地図情報を元に話し合えるため、農家間の合意形成に役立つという効果についても評価もいただいている。

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