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海外レポート

乾ききった大地オーストラリアを行く 渇水の稲作現場を訪ねて

農産物輸出大国のオーストラリアが長期的な旱魃に苦しんでいるという話は記憶に新しい。日本とは季節が反対のため、コメ作りは日本の冬から春にかけて行なわれるが、2008年産の作付面積は記録的な減少となった。早春の岩手から飛び出し、夏のオーストラリアへ農場視察に出かけた盛川周祐氏による特別寄稿をお届けする。
日本の経営面積や反収を不思議がる現地生産者

 WTO、EPA交渉の相手国となっている農産物輸出大国・オーストラリア。筆者は今年3月に同国のNSW(ニューサウスウェールズ)州、リートン郊外へ農業視察に行ってきた。日本と季節が反対で、ちょうどイネの出穂時期を迎えているところだったが、今回は現地の稲作農業の現状をレポートしよう。

 今回まず訪れたのは、コメ生産者組織で世界60カ国にコメを輸出しているサンライス社。ここで同国の稲作の歴史や推移についての話をうかがうことになった。旱魃が悪化する2002年以前は、2300戸の農家で15万haもの水稲を作付けていたというが、今年は旱魃で水がなく、コメを作る農家が激減。わずか36戸で2000haの作付面積ということだった。精米工場も大量の解雇を余儀なくされたという。

 その後、農家のグレック・スコット氏宅にフアームステイし、農場を見せてもらう。2000haの農地はとてつもなく広いが、今年はコメを作っていない。水路には水がきているが、水鳥や自然環境を守るためで農地には使えないという。コントラクターもやっていてレベラー、コンバイン、トラック、トラクタのどれを見てもバカでかい。

 一家ともすっかり打ち解けて、子供達とザリガニを捕りにいったり、バーべキューをしたり、夜にカンガルーを見に行ったりもした。飲んで運転しているので大丈夫かと聞くと、「ここら一帯は俺の土地。問題ない」の一言。ダートを時速100㎞オーバーでぶっ飛ばす。朝は朝で4輪バイクを借り、少しだけドライブを楽しませてもらった。

 ビールを飲みながらお互いの経営状態について語り合ったが、日本でそんな面積や反収で経営できることを彼はしきりに不思議がっていた。オーストラリアではコントラクターを入れながら、数千haでも家族経営が中心である。

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