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【GAPレポート】
「GAPの本質はリスクマネジメントにある」 130カ所に分散する農場でグローバルGAPを取得した(有)松本農園
- (有)松本農園 取締役 松本武
- 第13回 2008年07月01日
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――グローバルGAP認証取得のきっかけは?
GAPのことは、主要取引先から時々聞いていたが、実際にどんなものか思案し続けていた。2006年春にユーレップGAP(現グローバルGAP)の事務局であるFoodplusのクリスチャン・ムーラー氏が当農場を訪れた。当社はトレーサビリティの一環として、生産時に使用した農薬・肥料などを消費者が確認できる生産情報公表JAS規格(農産物)を2005年に取得し、管理をしてきた。その内容を紹介するといたく感心し、最後に「ユーレップGAPを取得してください」と言われた。こちらもつい「任せて下さい」と言ってしまったが、それでも07年5月7日付けで認証を取得。審査の2日前に審査機関であるSGSジャパン(株)で受けた講習が非常に役に立った。GAPというとマニュアルや記録付けに目を向けがちだが、その奥にある本質がわかり、「目からうろこ」でした。
――GAPの本質とは?
GAPが求めているものは、基本的にはHACCP(ハサップ)と同じと考えています。組織がリスクマネジメントをどこまで考えているのか、そのリスクを最小限にとどめるために何をするかということだと思います。たとえば、GAPに「救急箱を常備しているか?」といった主旨の要求項目がある。これに対し、農場の近くに病院がある経営者は、「何か起これば病院に駆け付けられるので救急箱は必要ない」と答えるかもしれない。だが、病院は24時間必ず開いているわけではない。仮に24時間開いているとしても、GAPが求めていることは「従業員の応急処置をその組織がどの範囲まで考慮しているか」だ。それを踏まえると「病院が近いから(救急箱は)要らない」という答えは適当ではない。審査員は救急箱のことを聞いているのではなく、組織がどこまでリスクを考えているかを聞いているのだから。
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GAPレポート
世界80カ国の5万農場がグローバルGAPの認証を取得するなど、GAP認証制度は世界中に広がっている。わが国でも日本GAP協会のJGAPをはじめ、自治体や流通業者ごとのGAPが普及しつつあるが、その取り組みは緒についたばかり。適正な農場管理を実現し、競争力ある経営をもたらすツールとして、GAPをめぐる動きを報告する。
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