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農業技術進化系

ジャガイモ ポテトチップカラーに優れ、不良率の低い新品種「アンドーバー」

 アンドーバーの熟期は、加工用の主要品種であるトヨシロよりやや早い中早生、ワセシロよりはやや遅い。研究所の試作結果から、収量と比重はトヨシロにやや劣るものの、サイズが均一で総収量における規格品率が高く、障害率も低く抑えることが期待できる。07年に実施した北海道川西地区の試作では、不良率がトヨシロ16.7%に対して、アンドーバーは6.4%という結果だった。実際に試作した生産者からは、「ハーベスタの機上で除去するイモがなく、選別が非常に楽だった」「粉状そうか病がトヨシロより少なかった」との感想を得ている。

 また、チップカラーの良さは、生育中の早い時期から収穫時、そして貯蔵中まで常にトヨシロを上回る。工場で行なったラインテストでは、カラーが均一で白く、バラツキが少ないという結果を得た。一方で低温貯蔵には向かないことや芽が太く取れづらいといった特徴もあり、早掘りから2月ごろまでの使用が目安になるだろう。用途については、ポテトチップ以外に「じゃがりこ」(カルビーの商品)と「Jagabee」(同)が評価継続段階だ。ジャガイモシストセンチュウの抵抗性を持った品種のなかでは唯一「Jagabee」に使える可能性があるのではないかと期待している。

 一般原料の栽培は一部産地で2010年より開始し、その翌年から本格的に作付けする予定だ。今年の試作を含めて実用規模で評価を継続し、状況が良ければさらなる普及を進めたいと考えている。


■カルビーポテト馬鈴薯研究所
問い合わせ TEL:0155-61-3400


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