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【今年の市場相場を読む】
入荷量が激減した輸入野菜
- (株)農経企画情報センター 代表取締役 小林 彰一
- 第142回 2008年05月01日
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サヤエンドウ 中国産退潮に国産減が重なる。国内産地の奮起が待たれる
【概況】東京市場のサヤエンドウは、05年から入荷が減少し始め、07年には前年比36%減、単価は4割以上高くなった。これは中国産が半分以下に減り、前年のシェア56%が38%にまでダウンしたことが直接の原因である。さらに国内産地も前年並みか減少した産地があり、入荷減・単価高に拍車をかける結果になった。この緊急事態に、中国産代替のベトナム産が前年より4倍以上の入荷増となった。
【背景】小売店に豊富に出回っていた中国産のスナップエンドウは、今は影も形もない。愛知など一部の国内産地のものは、単価が3倍くらい。これでは消費者の手が伸びない。東京市場の入荷を見ても輸入品が52%も減ったのに、国産がそれをカバーできず、全体で36%もの減少となった。年間平均単価で870円という価格は、業務用やスーパーの品揃え商材にかろうじてハマる水準である。ベトナム産などがこれからどれだけ代替できるかが焦点だ。
【今後の対応】どの卸売会社も、産地に対してスナップエンドウの増産や新規導入を勧めている。中国産によって創造されたマーケットだが、年間を通じて消費される初めての「売れ筋」豆類だっただけに、小売店のダメージは大きいのだ。既存産地は単価高に沸いているが、このまま放置するとベトナムやタイ、フィリピンなど新たな海外産地が誕生してしまう。せっかく形成されたスナップエンドウのパイを、黙ってほかの国に食わす手はない。国産の奮起が望まれる。
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小林 彰一 コバヤシショウイチ
(株)農経企画情報センター
代表取締役
青果物など農産物流通専門のジャーナリスト。(株)農経企画情報センター代表取締役。「農経マーケティング・システムズ」を主宰、オピニオン情報紙『新感性』を発行。著書に、『ドキュメント青果物市場』、『日本を襲う外国青果物』、『レポート青果物の市場外流通』、『野菜のおいしさランキング』などがあるほか、生産、流通関係紙誌での執筆多数。
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