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江刺の稲

日本食レストランの海外普及

  • 『農業経営者』編集長 農業技術通信社 代表取締役社長 昆吉則
  • 第146回 2008年06月01日

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京野菜や加賀野菜が現代に残ったのは、地域に食材を調理し、人々に食として供する職人と商売人たちがいたからだ。農業とは、食文化があってこそ、守られる。しかも現代においては、農業をビジネス化する食産業が保障する時代なのである。

本誌では、読者による海外での農業生産を検討するツアーや市場調査を行なってきた。さらに、今後も読者を誘って様々なメイド・バイ・ジャパニーズを目指す視察や経営実験に取り組んでみたいと思う。

日本人による海外での農業生産には様々なチャンスが存在する。しかし、それは多くの農業経営者にとっては十分な市場サイズかもしれない。だが、産業レベルで見れば、それはあくまでニッチなマーケットでありビジネスと言わざるを得ない。それを産業のレベルまで発展させるには食産業人と手を携えていかない限り限界があるのだ。

すでに吉野家のように米国で有力牛丼チェーンを成立させている企業もある。しかし、多くの外食産業はアジア地域を中心に、海外への事業展開はまだ始まったばかりだ。

これまでの国内市場というあまりにも恵まれた市場の中にいて、リスクを背負って海外に出て行くことをしてこなかったのだ。さらに、食習慣というもっとも保守的な文化にかかわるビジネスであるがゆえに、海外でのビジネス化に躊躇してきたという側面もある。しかし、海外にはあれほどの寿司ブームが存在する。しかも、それを経営しているのは同じアジア人の中国人、韓国人、ベトナム人たちなのだ。なぜなのだ。

世界中の大都市に行けば日本人経営の日本食レストランは存在する。しかし、その多くは、駐在員向けの高級社員食堂のレベルを超えてはおらず産業化されていない。

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