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独断注目商品REVIEW

超軽量で運搬ラクラク!天然素材の生分解育苗マット

寒さの厳しかった今年の冬も、終わりに近づいてきた。そろそろイネの育苗時期だが、苗の運搬にかかる労力は馬鹿にならないものだ。
農業・緑化用資材 ジーザック水稲用育苗マット

 寒さの厳しかった今年の冬も、終わりに近づいてきた。そろそろイネの育苗時期だが、苗の運搬にかかる労力は馬鹿にならないものだ。中山間地において、少数のスタッフや高齢者だけで作業を行なうとなれば、なおさら大きな負担となってくる。直播による省力栽培技術が進歩してきたとはいえ、地域や経営の条件によっては、移植栽培を続けざるを得ないケースも少なくないだろう。

 今回紹介する東亜システムプロダクツ(株)の開発商品「ジーザック水稲用育苗マット」は、そんな農家の悩みを軽減してくれる。1枚(横575±4㎜×縦275±3㎜×高さ13±1㎜)あたりの重量が乾燥時で約300gという軽さで、持ち運びが簡単。育苗時の重量も従来の培土栽培が7㎏ほどあるのに対し、同商品は4㎏ほどと、吸水した状態でも大幅な軽量化を実現している。運搬時に足腰にかかる負担を大幅に低減し、作業効率を向上させてくれるのだ。

 マットの原料は竹やアシ、パームなどの非木材繊維。同社が掲げる「循環型社会創造プロジェクト~かぐや姫プロジェクト~」から生まれた100%天然素材で、パルプモールド成形技術によって製造される。

 原料が植物由来のため60日ほど経てば土中で自然分解し、有害物質を残すこともない。また床土用の山土を使わずに済むことから、環境に優しい一面もある。さらに従来行なわれていた播種時の床土投入や、ならしといった作業も不要になるため、工程を簡略化できるのも魅力だ。保水力が優れているため、水やりの管理も容易である。播種機や田植え機にも対応しており、欠株や浮き苗を発生させることなくスムーズに移植することができる。

 徒長を抑制し、根張りを優先させることから、苗が比較的低くなる傾向はあるが、定植後1~2カ月で通常のイネと同じ草丈に生長する。むしろ根張りが強くなるため、台風などの襲来を受けても倒伏被害が発生しにくくなる。これまで移植栽培が抱えていたデメリットを、様々な点で緩和、解消してくれるものといえるだろう。

 商品ラインナップは「肥料入り」「肥料なし」のほか、JAS規格の有機資材認定を受けた木材・非木材繊維混合の「有機育苗マット」の3タイプ。様々な農家のニーズに対応しているが、同素材の優れた保水力や生分解性は、イネの育苗だけにとどまらず、様々な作物の栽培シーンで活躍し始めている。すでに屋上緑化や家庭菜園、玄関の芝マット、ネギやカイワレ栽培などに利用されており、行政機関や種苗会社の注目を集めている。また、稲作においては、雑草やカメムシに対して抑制効果があるといわれるカバープランツ、ヒメイワダレソウを畦畔に植栽する際にも活用できる。

 「無覆土」「超節水」を武器にする同資材の用途は、今後も可能性に満ちている。農業経営者それぞれのアイディアにより、画期的な栽培技術を自ら開発することも、決して夢ではないだろう。(土井学)

■お問い合わせ
東亜システムプロダクツ(株)
〒520-1531
滋賀県高島市新旭町饗庭字中山4906
TEL:0740-25-8410
http://www.gthec.com/index.html

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