ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

リレー訪問 農場に勤める誇りと夢

「夢は百姓」と言われる百姓に

  • (有)ジェイ・ウィングファーム(愛媛県東温市)×(有)竹内園芸(徳島県板野町) 生産部門×IT・システム担当 齋藤碌×山中高志
  • 第23回 2008年04月01日

  • この記事をPDFで読む
    • 無料会員
    • ゴールド
    • 雑誌購読
    • プラチナ
山中 じゃあ、今は……。

齋藤 今は全国に70人くらいの同期がいて、連絡も取り合ってますよ。

山中 そうなんですか。ちゃんとネットワークができたんですね。ちなみに、研修先はどういったところだったんですか?

齋藤 僕が行ったのは肉牛の繁殖をしている、いわゆるカウボーイがいるところでした。どうせ米国に行くなら、ということで自分から西部劇みたいなところに行かせて欲しいとお願いしたんです。でも、ボコボコにやられて帰ってきたという感じですね。それはもうタフな仕事で、歯を食いしばってやってましたから。

山中 そんなに大変なんですか。

齋藤 おかげで相当鍛えられましたし、学ぶことも多かったですね。特に、彼らが「誇り」を持ってやっている点には、日本の百姓との違いを感じさせられました。しかも彼らの子供は、ものすごく生き生きとした目をしていて、父親みたいになるんだって言うんですよ。これは凄いと思いました。やっぱり誇りがあれば、そういう人を見て、やりたいっていう人が出てくるんですよね。たとえば、消防士なんて命を懸ける仕事なのに、ずっと子供が憧れる仕事なんです。それはやっぱり誇りを持ってるからなんですよ。

山中 日本では、そういった様子があまり見られないですよね。

齋藤 残念ですが、そうなんですよ。米国には、国土や資源がある。人もいる。一方、日本は国土が狭くて、資源がない。頼みの綱は人なんだけど、若い人の目が生き生きしてないんです。日本に帰国した時、こういう状況では国として成り立たないんじゃないか、そう思いました。

山中 海外に出ると、そういうことが見えるようになるんですよね。僕は前職で中国に海外出張していたことがあるんですけど、食べ物ひとつとっても日本に対する見方が変わるようなところがありました。

齋藤 そうなんですよね。僕も日本の食べ物の素晴らしさは実感しました。バリエーションの豊富さと繊細さ、これは凄いです。僕が行った研修先の朝食は、まずパンケーキ、日本でいうホットケーキなんですけど、それと半熟の目玉焼きと炒めたベーコン。毎朝これなんです。もう飽きる飽きる(笑)。

山中 日本でホットケーキといったら、おやつですからね(笑)。

齋藤 それに米国では、日本の食に対する評価が高いんですよ。味噌や豆腐、醤油も一般家庭に普及してる。食べ物だけじゃなくて日本の文化や道具、技術が海外でどれだけ高く評価されているかを日本人自身が知らなさ過ぎるんです。こういったことを僕らの世代が学んでおかないと。

関連記事

powered by weblio