ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

特別レポート

アジア最大の食品・飲料展 FOODEX JAPAN2009 読者の会共同出展レポート

毎年多くの食品業界関係者で賑わう「FOODEX JAPAN」(日本能率協会ほか主催)も、今年で34回目を迎えた。3月3~6日の期間中、会場となった幕張メッセ(千葉県千葉市)には延べ7万8538人が訪れ、本誌読者の会の共同出展も来場者の熱い視線を集めた。自ら食の最前線に立ち、農産物の売り込みに声をからした参加者の姿をレポートする。取材・文/並木訓、土井学
 今年も59の国と地域から約2400社のブースが集まり、大変な熱気に包まれた本イベント。丸1日かけても全貌を把握できないほど多種多様な食品が揃い、会場の至るところで商談が行なわれていた。

 ただ、来場者数は前回の9万6000人から1万8000人も減少。「じっくりと商談を行なっていただくために、招待券の配布先を見直すなどして会場の過密緩和を図った」(主催者)とのことだが、出展者の商品提案が飽和状態に近づいている面も否めない。

 読者の会の共同出展に参加した降矢農園の降矢敏朗代表は、「最近の商談会はどこにいっても出展者の顔ぶれが同じで、似たような商品ばかり。バイヤーにも飽きがきている」と見る。バイヤーは本当にほしいものがあるブースにはまっすぐ向かうが、関心のない展示には冷やかしにもこない。画一的な提案だけでは埋もれてしまうということだろう。

 それだけに明確なコンセプトや独自性を打ち出した商品の集客力は強い。同じ共同出展組の国立ファームでは、ホワイトいちご(品種名:初恋の香り)やソルトリーフを展示していたが、連日の人だかりであった。

 ただ、独自性の訴求とは、物珍しい品種を提案することだけではない。機能面や利便性において、新たな価値を提案することも同義である。内山農産ではコメの半加工品として1食分の「湯煎調理パック」をPR。手軽に食べられる利便性に加え、「柿の葉エキス入り」「桑の葉エキス入り」など機能性の異なるタイプを品揃えしたことで、嗜好性が多様な個食家庭にも対応している。同商品は通販会社の目にとまり、現在商談が進んでいるという。

 同社の内山義夫代表は「生産者としては生のコメを売りたいのが本音だが、マーケットが加工品を求める傾向にあることを肌で感じる」と、消費動向の変化を指摘する。少子高齢化の進行で世帯人数も減少している昨今、調理工程を簡略化した商品を消費者が求めるのは当然である。今回の会場では、一汁三菜セットが日替わりで楽しめる究極の調理済み食品も登場していた。生産者が加工メーカーとタッグを組むことが、これまで以上に意味を持つ時代がきているのかもしれない。生鮮野菜の場合にしても、より手軽な調理で食べられる品目や品種、サイズの提案は注目を浴びることだろう。

 次回の「FOODEX JAPAN」は、2010年3月2~5日に開催される予定である。

関連記事

powered by weblio