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特集

事業計画書は夢を伝える手段!

認定農業者の要件ををもらうためでもなく、補助金を受け取るためでもなく。あくまで自らの事業者としての夢を伝えるために、事業計画書を書いたことがあるだろうか?目線の揃う異業種と提携し、事業としての農業を発展させていくには、語りかけの手段として事業計画書を書くことは有益である。また、自ら思い描く事業プランも明確になり、課題も見えてくるのだ。これらは、本邦初の農業ビジネスプランコンテスト「A-1グランプリ」に出場した読者も認めるところである。そこで、今月号の特集では、A-1グランプリをダイジェスト的に振り返るとともに、農業経営における事業計画とは何かを考えていきたい。
(1) 事業計画書を書くメリットとは?

 他産業において、事業計画書を持たずに経営を行なっている例はほぼ皆無である。当たり前の話だが、事業計画書は、事業を行なう上での戦略そのものであり、どうしても必要になってくるものだからだ。では、どうして必要なのか。大別すれば、経営において3つのメリットがあるからである。


経営者が描く夢の羅針盤として

 どの産業であれ、経営者たるものは独自の事業計画を持っている。何のために事業をしているか(目的)、どんな事業をしていくか(事業内容)、事業を行なうのはどんな市場か(市場環境)、どんな経営をしていくか(生産・販売・仕入・設備投資・採用計画など)、どうやって儲けを出していくか(損益計画)、事業を続けるためのお金をどうするか(資金計画)、すべてを分かっていなければならない。

 これらを文章と数字でまとめたものが事業計画書だ。

 もっとも実際は、事業計画書を作成していない農業経営者のほうが多い。もちろん、書いたから成功するわけではなく、書かなくても失敗するわけではないことを考慮すれば、作成しても意味がないと考えるのは一理ある。事業が計画通りにいくことは少ないのが世の常だからだ。また、事業をしている当人にとっては、わざわざ書かなくても過去、現在、大方の未来を把握しているからだ。

 もうひとつ、農場に事業計画書がない理由としては、経営者が計画書とはそもそも何であるかを知らないこともあろう。

 いずれにせよ、計画書を作成するまでは、事業はあなたの頭と心の中にしかないことになる。いや口頭で家族やスタッフに日々話しているか他産業において、事業計画書を持たずに経営を行なっている例はほぼ皆無である。当たり前の話だが、事業計画書は、事業を行なう上での戦略そのものであり、どうしても必要になってくるものだからだ。では、どうして必要なのか。大別すれば、経営において3つのメリットがあるからである。どの産業であれ、経営者たるものは独自の事業計画を持っている。何のために事業をしているか(目的)、どんな事業をしていくか(事業内容)、事業を行なうのはどんな市場か(市場環境)、どんな経営をしていくか(生産・販売・仕入・設備投資・採用計画など)、どうやって儲けを出していくか(損益計画)、事業を続けるためのお金をどうするから問題ない、という人もいるだろう。それで自身が将来、実現したい事業をすべて達成できるというのであれば、これ以上この特集を読む必要はない。

 しかし、計画書を書かないことで生じている、目に見えない大きなリスクがあることは知っていて損はない(後述)。加えて、頭と心にある事業を外にいざ吐き出してみると、自分でも気づかなかった何か新しいこと~変化~が起こることは確かだ。それは次の3つの場所で起こる。自分自身の中で、農場の中で、そして農場を取り巻く外での変化である。

 まず、事業計画書を作成する過程で、頭の中に漠然とあるうちは気付かなかった矛盾や詰めの甘い部分が見えてくる。環境が変わっているのに過去の成功体験に固執していたり、希望的観測に基づていたり……。書き終える頃には、自分の思いや夢を第三者の視点である程度客観的に見ることができるようになる。また、考えてもみなかった別のアイデアやプラン、方向性が出てくることもあるだろう。

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