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この農閑期も、東北や北陸のコメ主産地を巡ってきた。その一つ、東北のとある町に出向いたが、どこも火が消えたような寂しさで、笑顔も見えない。筆者が気にとめたのは、農村に残った若者達の覇気のなさである。
その若者達の覇気のなさをみていて、つくづく思うことがある。誰も気がついていないと思うが、長老政治的手法で農家に減反を押しつけてきた結果、若者はコメづくりに見向きもせず農村から出て行ってしまったことである。
減反強化を農家に求めれば、やがて農家は、貯金や農協共済の解約に始まり、やがては出資金を取り戻して農協脱退ということに発展していくだろう。いくら飴をしゃぶらせて減反強化が、そんな動きに拍車をかけるきっかけになるだけと思うのだが、西川代議士はこのことを想像できるだろうか。
その若者達の覇気のなさをみていて、つくづく思うことがある。誰も気がついていないと思うが、長老政治的手法で農家に減反を押しつけてきた結果、若者はコメづくりに見向きもせず農村から出て行ってしまったことである。
減反強化を農家に求めれば、やがて農家は、貯金や農協共済の解約に始まり、やがては出資金を取り戻して農協脱退ということに発展していくだろう。いくら飴をしゃぶらせて減反強化が、そんな動きに拍車をかけるきっかけになるだけと思うのだが、西川代議士はこのことを想像できるだろうか。
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土門剛 ドモンタケシ
1947年大阪市生まれ。早稲田大学大学院法学研究科中退。農業や農協問題について規制緩和と国際化の視点からの論文を多数執筆している。主な著書に、『農協が倒産する日』(東洋経済新報社)、『農協大破産』(東洋経済新報社)、『よい農協―“自由化後”に生き残る戦略』(日本経済新聞社)、『コメと農協―「農業ビッグバン」が始まった』(日本経済新聞社)、『コメ開放決断の日―徹底検証 食管・農協・新政策』(日本経済新聞社)、『穀物メジャー』(共著/家の光協会)、『東京をどうする、日本をどうする』(通産省八幡和男氏と共著/講談社)、『新食糧法で日本のお米はこう変わる』(東洋経済新報社)などがある。大阪府米穀小売商業組合、「明日の米穀店を考える研究会」各委員を歴任。会員制のFAX情報誌も発行している。
土門辛聞
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