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今年の市場相場を読む

不況下の果実的野菜類 スイカ/小玉スイカ/イチゴ類/メロン類

果実的野菜類は野菜農家の領分である。しかし加工・業務用需要の底支えがある野菜類とは異なり、果樹を含む果実類全般の低迷基調に足を引っぱられて、消費低迷、単価安の傾向にある。ただし、永年果樹と違うのは、野菜同様に生産時期の調整や品種選択に融通が利くところである。景気の好転が見込めないなかにあっても、果実はどうしても従来の「価格主義」という呪縛から逃れられない状況にある。永年果樹の場合は生産面積が限られることから、反収の確保が優先するが、果実的野菜類なら、加工・業務用野菜のように面積拡大で手取りを確保する手もある。
イチゴ類 高級アイテムへの特価か、売れ筋・量販商品の地位確率か

【概況】 東京市場のイチゴ類は、ほかの果実類が近年ほぼ漸減傾向にあるなか、横ばいの入荷量を保っている。春先の一般流通商品と、6~11月に出回る業務用イチゴと、おおまかに2つの系統がある。「とちおとめ」を擁する栃木が35%とシェアトップで、それに「さがほのか」の佐賀、「あまおう」の福岡がほぼ15%前後で続く。夏場のイチゴは北海道と長野のシェアが高い。

【背景】 県別のシェアより興味深いのが、品種別のシェアである。08年時点で「とちおとめ」は51%とダントツ。2位は「あまおう」の16%で、「さがほのか」は14%、「紅ほっぺ」が9%である。単価で見ると平均がキロ1008円であるのに対して、「あまおう」は1233円と2割高。「とちおとめ」は942円と逆に5%安い。「さがほのか」は974円で、「紅ほっぺ」は1012円という位置付けにある。今年の1月は「あまおう」1539円に対し、「とちおとめ」が994円だった。

【今後の対応】 昨年から今年にかけて、品種の棲み分けが明確になった。福岡の独占品種として高級アイテムの定位置を狙う「あまおう」に対して、「とちおとめ」は量販と売れ筋アイテムというポジションを目指しているということだ。年内の販売から1パック398円売りが可能なのは、栃木のイチゴ産地が10aあたり5t取りの技術を確立し、「数量で稼ぐ」作戦に出ているため。ほかの品種は、このどちらかの陣営に組みするのかを決めなくてはならない。

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