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【今年の市場相場を読む】
不況下の果実的野菜類 スイカ/小玉スイカ/イチゴ類/メロン類
- (株)農経企画情報センター 代表取締役 小林 彰一
- 第154回 2009年05月01日
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イチゴ類 高級アイテムへの特価か、売れ筋・量販商品の地位確率か
【概況】 東京市場のイチゴ類は、ほかの果実類が近年ほぼ漸減傾向にあるなか、横ばいの入荷量を保っている。春先の一般流通商品と、6~11月に出回る業務用イチゴと、おおまかに2つの系統がある。「とちおとめ」を擁する栃木が35%とシェアトップで、それに「さがほのか」の佐賀、「あまおう」の福岡がほぼ15%前後で続く。夏場のイチゴは北海道と長野のシェアが高い。
【背景】 県別のシェアより興味深いのが、品種別のシェアである。08年時点で「とちおとめ」は51%とダントツ。2位は「あまおう」の16%で、「さがほのか」は14%、「紅ほっぺ」が9%である。単価で見ると平均がキロ1008円であるのに対して、「あまおう」は1233円と2割高。「とちおとめ」は942円と逆に5%安い。「さがほのか」は974円で、「紅ほっぺ」は1012円という位置付けにある。今年の1月は「あまおう」1539円に対し、「とちおとめ」が994円だった。
【今後の対応】 昨年から今年にかけて、品種の棲み分けが明確になった。福岡の独占品種として高級アイテムの定位置を狙う「あまおう」に対して、「とちおとめ」は量販と売れ筋アイテムというポジションを目指しているということだ。年内の販売から1パック398円売りが可能なのは、栃木のイチゴ産地が10aあたり5t取りの技術を確立し、「数量で稼ぐ」作戦に出ているため。ほかの品種は、このどちらかの陣営に組みするのかを決めなくてはならない。
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小林 彰一 コバヤシショウイチ
(株)農経企画情報センター
代表取締役
青果物など農産物流通専門のジャーナリスト。(株)農経企画情報センター代表取締役。「農経マーケティング・システムズ」を主宰、オピニオン情報紙『新感性』を発行。著書に、『ドキュメント青果物市場』、『日本を襲う外国青果物』、『レポート青果物の市場外流通』、『野菜のおいしさランキング』などがあるほか、生産、流通関係紙誌での執筆多数。
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