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リーダーズ・スクエア
- 編集部
- 2009年05月01日
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それでも、ご飯の味は……
「それでも地球はまわっている」――地動説を唱えるガリレオ・ガリレイが教会の意思に反したとされ、後日法に服し、説を撤回した史実にまつわる言葉です。真実はいかなる法でも曲げることはできないということでしょうか。
最近、コンビニで一番高いおにぎり(新潟産コシヒカリ使用という表記)を何個か買って食べましたが、口のなかで何粒かの硬めの飯粒を感じました。出来の悪い混米のようで、とっさにコシヒカリBL(以下BL)のことが思い出されました。BLは病害予防を目的に複数品種の種子がブレンドされて供給されるため、生育にムラが出やすいからです。
2006年の読売新聞の記事によると、03年秋の卸業者への試食アンケートでは「従来のコシヒカリがおいしい」との回答が1705ポイントだったのに対し、「BLがおいしい」は1674ポイントでほぼ同等。両者を「同じ」とする回答は2949ポイントで最も多く、新潟県が「味は変わらない」とするゆえんになっているようです。
しかし、1705+1674の合計3379ポイントが「コシヒカリとBLの味は同じではない」と認めているわけであり、「同じ」の2949ポイントを上回っています。実に半数以上の専門家(卸業者)が「味が違う」と言っているのです。
コシヒカリとBLは種苗法上、明らかに違う品種です。宮城県はササニシキBLに「ささろまん」という愛称をつけてササニシキと区別しましたが、失敗に終わりました。正直者がバカを見たのです。だからといって農産物検査法やJAS法を駆使し、合法の名のもとに消費者をだますようなことが許されるのでしょうか。法によってご飯の味を変えることはできません。法はいったい誰のためにあるのか考えたいものです。
そしていつの日か、コンビニのおにぎりに「新潟県産コシヒカリBL(コシヒカリとは異なる複数品種の混米)使用」と表記されることを、常識的な日本人として願っています。
(宮城県・平塚静隆)
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