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【海外レポート】
ヒール宮井のNational Farm Machine Show見聞録2009[前編]
- 西南農場 代表取締役 宮井能雅
- 2009年06月01日
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機械の進歩よりもバイオ技術の進歩が目立った
2年ぶりに米国・ケンタッキー州ルイビルのファームショーに行ってきた。以前にもご案内したことであるが、全米で一番大きな室内の展示会になる。今年の米国は平年よりも寒く、訪れた前の週に吹雪があり、その結果、多くの高圧電線に破損事故があり、5日間ほど電気なしの生活を負わされた地域もあったそうだが、ファームショーの間は朝の0℃から日中は10℃になる穏やかな天気であった。
10数年ほど前からこのファームショーに来ているが、最近はボッタクリ料金のホテルが多い。最低でも2倍、会場近くでは3倍の料金がまかり通っている。
これはヨーロッパのファームショーでも同じような結果になる。米国の田舎町までヨーロッパの真似をしないでいただきたいものだ。
会場で展示された農機具は明らかに2年前に来た時よりも大型化されてきている。意外かもしれないが、作業機自体の大きさはヨーロッパ製の方が大きいものが多くあるが、現実に販売、使用される機械の普及は圧倒的に米国が進んでいる。
2008年7月から穀物価格は急落しているが、反米主義者からいただく「ザマーみろ」というのは大間違いである。
2年前に比べても今の穀物価格は30%高い水準である事実を無視してはいけない。米国においても肥料は日本並みに2倍、土地の価格や使用料金も軒並み20%以上は高騰している。
その結果、規模拡大した生産者でも利益の相殺はあるが、それなりの利益配分があるのは当たり前のようだ。しかも、その農業の現場で減少し続ける生産者の農地を誰かが耕さなければならないので、農機具が大型化するのは需要にあった対応といえる。知り合いのジョンディアのディーラーが販売する、つまり生産者が購入する農機具の基準は「一番デカイやつをくれ!」だそうだ。確かにどこかの国のチンケな農業とは比較にならない。
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宮井能雅 ミヤイヨシマサ
西南農場
代表取締役
1958年3月、北海道長沼町生まれ。現在、同地で水田110haに麦50ha、大豆60haを作付けする。大学を1カ月で中退後、農業を継ぐ。子供時代から米国の農業に憧れ、後年、オーストラリアや米国での農業体験を通して、その思いをさらに強めていく。機械施設のほとんどは、米国のジョンディア代理店から直接購入。また、遺伝子組み換え大豆の栽培を自ら明かしたことで、反対派の批判の対象になっている。年商約1億円。
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