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海外レポート

ヒール宮井のNational Farm Machine Show見聞録2009[前編]

 いろいろな機械が並ぶ中で、実はバイオ技術の大進歩があった。遺伝子組み換え作物の特定除草剤耐性は大きく分けるとモンサントのラウンドアップ(RR)耐性とライバル会社のBASFのグリホシネート(Liberty Link, Ignite)耐性があるが、このLiberty Linkには大豆の商品がなかった。今回80から90の契約された種子会社から、本年は50程度の品種が出てくるそうだ。

 北海道においてもツユクサ、スギナはラウンドアップよりもグリホシネート(日本名バスタ)の方がパンチ力に勝ることを地域の生産者は知っている。

 このグリホシネート耐性大豆の登場によってこのような栽培が考えられる。

 それは、以前にはモンサントもすすんで認めていなかったが、やはり存在するラウンドアップ耐性の雑草の存在だ。RR大豆、RRコーンを3回、つまり6年間、同じラウンドアップを同じ圃場で使用し続けると、抵抗性の雑草が出やすい環境になるらしい。

 しかし一度覚えた簡単な雑草処理方法の「蜜の味」を忘れることはできないので、ヤンキー生産者はちょっと頭を使うことになる。大豆はRR、コーンはLiberty Linkの別々の除草剤耐性の品種を使うと、1年おきに違う除草剤を使うので、その両方に耐性の雑草は常識的に考えて、出現しないと思われる。

 たぶん本年からは大豆はLibertyLink, Igniteで、コーンはRRの組み合わせが可能になり、より雑草の出現時期にあった農薬散布ができることになる。正直言って、うらやましい限りである。

 日本国内の生産者の多くの本音がGMやむなしであっても、GMが推進されていない環境では絵空事になってしまう。そんなチキンハートな生産者に本音を言わせていただこう。

 「おまえらバカか? 技術革新を無視した農業に未来はあると思うのか? もっと本音を言えば、品種開発しないで、何十年も古い品種を使うのが美徳と勘違いしてないか?」

 だが、こんな独り言を誰も聞いてくれないだろう。したがって、未来は申し訳ないが、「オレの物だ」とあらためて思った次第である。(以下次号へつづく)

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