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特集

農業補助金をもっと知ろう!~その仕組みとカラクリ~

「農業といえば、補助金漬け」。これが一般国民の率直な理解だ。しかし、われわれ農業界人でさえ、補助金制度の全体像を理解している人はほとんどいない。結果、仕組みとカラクリに熟知している。結果、仕組みとカラクリに熟知している、行政機関およびJA組織の恣意的な運用を許してきた。そのこと自体を批判したところで、何も変わらない。補助金について何がどうなっているのかもっと知ろうではないか。
補助金は470種類ある

 世界に類をみないほど過保護な日本の農業補助金。その数は470種類に上る。その中身を分類、整理し、全体像と仕組みを浮き彫りにする。

 農業補助金で、ソフト、ハードと呼ぶ表現があることを御存知ですか。役所用語で推進事業、整備事業のことを指します。一般に、生産者に馴染みが深いのは、ハード事業と呼ぶ整備事業ではないでしょうか。補助対象が、機械、施設、基盤整備となっているからでしょう。これに対し、推進事業は、ソフト事業と呼ばれ、協議会や推進会議、調査事業、実証圃の取り組み等を補助の対象となっていて、一般の生産者にはちょいとなじみの薄い事業といえるでしょう。

 農水省の補助事業は、「平成21年度補助事業等資料」によりますと、林野庁や水産庁の分を含めた省全体で470もあります。このうちハードを対象とする補助事業の数を官房政策課にチェックを入れましたら、「400近くあります」という返事でした。本省課長級(参事官を含む)ポストは118。1人の課長さんで4つの補助事業を監督していることになります。

 でも生産者に役立つ補助事業となると、そんなには多くはありません。補助金研究会の仕分けでは、メインとなるのが5つ、サブ的事業も5つほどになります(表1)。あえてメインと呼んだのは、主に生産者や流通関係者向けで、ハードの種類も多く、農業関係者の関心も強いという意味で呼びました。サブはそのメインを補完するという意味で呼びましたが、ある特定の目的を実現するための補助事業です。

 メインでも東西の横綱的な存在として、「強い農業づくり交付金」と「農業・食品産業競争力強化支援事業」の2つがあります。農水省補助事業の中で機械、施設、基盤整備のメニューはオールラウンドに用意されています。「産地生産拡大プロジェクト支援事業」は地域ぐるみという点で、どちらかといえば農協に適した補助事業のような印象を受けます。「広域連携アグリビジネスモデル支援事業」は、広域で展開するモデル的な生産者の連携や生産者と流通加工業者の連携を応援するという目的で導入されました。「農山漁村活性化プロジェクト支援交付金」は、名称から連想できるように農山漁村というでの地域での農業活動等の取り組みを対象にしたものです。

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