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エコファーム・アサノ 脳業発想力

これからの農業は頭で考える「脳業」じゃんよ!

そんなときに、地区の組合の活動を通して、農業とはこういうもんだって教えてくれる師匠にも出会った。埼玉の山田さんといって、当時でもコメよりはるかに高いサツマイモを作っていた農家なんだけど、その山田さんがこう言ったんだ。

「サツマイモを作るのではなく、いいサツマイモができる畑を作りなさい。それができれば、畑作でできるものは何でもできる」だから俺は山田さんに教わった基本を守りながら、自分がその都度気付いたことを取り込んで、ずうっと自分なりの土作りをやってきた。それがよかったか悪かったは未だにわからねえけど、人と違うことをしていたから、人とは違う畑だってことはわかるわけよ。

で、自分で値段を決めることを目指してやってきて10年くらい経った頃に、初めて仲買人のほうから「今年のイモ、いくらで売ればいい?」と言ってきた。そのとき俺はまだ20代で、品質の良し悪しなんてわからなかったけど、ちゃんと見る人が見てくれていたんだよ。これでやっと自分の念願が叶ったと思ったね。だけど値段がいくらということはそのときは言わず、「俺は生産のプロかもしれないけど、アンタは流通のプロなんだから任せるよ」って言ったの。そしたらその後、「今朝の荷物、いくらで仕切ったよ」って電話が入って、俺が頭でイメージした数字とピッタリ一致したんだ。このときは嬉しかったね。

ただ、こうなってくると世間の大人ってのはシャクに障るわけ。だって20代のガキが、自分たちより高いイモを売っているんだからよ。だけど俺だって、いいものを作る努力をして高く売ったのに、ひがまれるのはシャクに障るじゃん。だから俺は誰も悪口を言えねえように、ますます努力したの。そしたらそのうち「ああ、あいつはもう特別だから」ってことになっちまった。

山田さんの言ったとおり、いいサツマイモができる畑を作ったおかげで、畑作なら何でもできるようになったよ。個人で出荷したサトイモは、八街から出る通常のサトイモの価格の3倍だからね。サツマイモでも平均単価で倍以上違っていた。高値のときの差なんか倍じゃきかないよ。普通の人が10キロ2000円でしか売れなくても、俺は8000円で売ったもん。1万円が夢だったけど、そのうちバブルがはじけて金持ちもいなくなっちまったけどね。

俺は共選共販なんて大嫌いなんだよ。あんなものやるのがバカだって言ってんの。だって自分の努力とか技術を金にするのに、なんで一元出荷にするのよ。努力したってしなくたって同じにするから、産地が育たなくなるじゃん。それで補助金だ何だっていって、ヒモ付きにして、農家をダメにするんだから。金を借りちゃったらやめられないじゃんよ。

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