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【新・農業経営者ルポ】
オレたち、第一次産業のワンダーランドを作りたい
- (株)グリーブ・(株)アグリ稲庭 代表 藤代弘之
- 第35回 2007年05月01日
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高橋尚子が走ったという佐倉の農道では、菜の花が春の訪れを告げていた。一面に広がる田畑の背後には、めっきりと緑を深めた丘陵が肩を並べる。稜線の切れ間から降り注ぐ暖かく優しい陽光が、目に眩しい。
藤代弘之氏が経営する直売所「グリーブ」の駐車場にクルマを滑り込ませたのは、昼食時間をだいぶ過ぎた午後1時も回った頃だった。
「あら? みっちゃんのトマトは入荷してないのかしら……」
野菜売り場で物色中の主婦が、誰に問いかけるでもなく肩をすくめた。古傷の左足を引きずって前へ踏み出した藤代氏が軽く頭を下げる。
「すみません。もう売り切れちゃったんですよ」「グリーブ」の初代店舗を設立したのは96年だ。その後、遠方の顧客にも対応するため、千葉や東京にも直営店を作った。出荷者からは20%の手数料を取るが、入会金や会費は一切ない。いまや全体の年商は5億円にもなるという。「ヤンチャだった」20代の頃には想像だにしていなかったビジネスに発展していた。
藤代弘之氏が経営する直売所「グリーブ」の駐車場にクルマを滑り込ませたのは、昼食時間をだいぶ過ぎた午後1時も回った頃だった。
「あら? みっちゃんのトマトは入荷してないのかしら……」
野菜売り場で物色中の主婦が、誰に問いかけるでもなく肩をすくめた。古傷の左足を引きずって前へ踏み出した藤代氏が軽く頭を下げる。
「すみません。もう売り切れちゃったんですよ」「グリーブ」の初代店舗を設立したのは96年だ。その後、遠方の顧客にも対応するため、千葉や東京にも直営店を作った。出荷者からは20%の手数料を取るが、入会金や会費は一切ない。いまや全体の年商は5億円にもなるという。「ヤンチャだった」20代の頃には想像だにしていなかったビジネスに発展していた。
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藤代弘之 フジシロヒロユキ
(株)グリーブ・(株)アグリ稲庭
代表
千葉県印旛村。1960年、千葉県印旛村生まれ。78年県立成田園芸高校卒業後、調理師学校を経て家業の農業を手伝う傍ら、様々な職業を験。88年、農業経営を本格的に始める。96年5月農産物直売所を運営する2グリーブ、同年12月農業生産法人2アグリ稲庭を設立。グリーブは本店のほか、そごう千葉店、経堂店(東京都世田谷区)など4つの直営店を出店。アグリ稲庭の耕地面積はコメ30ha、ネギ2ha、ダイコン1ha、ほかハクサイなど1ha。
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