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農・業界

黒富士農場 (山梨県敷島町) オーガニック卵、香港でも人気

  • 編集部
  • 2003年09月01日
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山梨県敷島町の(有)黒富士農場(向山茂徳社長)が、香港で「オーガニック卵」の試験販売を開始。予約注文だけで完売するほどの人気となっている。小売価格は現地で販売されている市販卵の10倍以上するが、「生でも食べられる卵」と「メイド・イン・ジャパン」がセールスポイントとなり、衛生管理の行き届いた高品質の日本農産物に対する評価を裏付けた。
価格は国内の3倍

 試験販売は昨年、香港セントラル地区にある高級自然食品店「有食縁」(ベリンダ・ウォン社長)が黒富士農場の存在を知り、直接取引を要望したことで始まった。価格は1個20香港ドル前後(日本円で約300円)と、通常飼養の卵を大幅に上回る高値。オーガニック卵は、日本国内でも首都圏の大手百貨店などで、1個90円で販売されているが、それと比べても3倍以上高く売れる。

 香港をはじめとしたアジア諸国・地域では近年、富裕層が急成長し、購買力が上昇している。同社のオーガニック卵も、高品質で安全なものを食べたいという需要をとらえており、今年前半は新型肺炎(SARS)の影響で出荷をいったん見合わせたが、今後はさらに販売が拡大されそうだ。

 黒富士農場がオーガニック卵の生産に取り組んだのは1998年から。飼料原料は、フィリピン・ルソン島の農家と直接契約し、有機栽培のトウモロコシを再生産保証価格で購入している。現在、飼養羽数約9万羽のうち、オーガニック採卵鶏は約2,000羽で、1日1,200~1,300個が生産されている。

 同社は1984年、11万羽の大規模養鶏農場としてスタートした。1991年、微生物農法の「BM技術協会」の設立にかかわって以降は、羽数を減らして平飼い養鶏を拡大。オーガニック卵に先立って、抗菌剤、抗生剤を一切使用しない「自然放牧卵」の生産販売を開始した。

 国内では生協のほか、敷島町に2店舗開設した直売所「黒富士農場たまご村」で自然放牧卵を1個50円で販売しており、直売所での年間販売額は約1億円に上る。

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