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【農・業界】
小ノ上喜三氏(福岡県杷木町)、せん定技術マニュアル化
- 編集部
- 2004年02月01日
収量維持し、作業効率上げる狙い
冷蔵柿の販売で知られる福岡県杷木町の柿生産者、小ノ上喜三さんが、せん定技術のマニュアル化に取り組み始める。これまでは経験と感覚に基づき、ほぼ1人でせん定管理に当たってきたが、今年は、側枝の太さと結果母枝数のバランスを公式化。作業に従業員を活用する。多収は維持しつつ、作業日数を大幅に短縮できるため、経営規模の拡大にも対応できそうだという。
小ノ上さんは現在、4haを経営する。主幹形で斜立させた樹形や、長果枝せん定の発想を取り入れた枝作りなど、独自の技術で10a当たり3tという安定収量を得てきた。長年の経験で「自分なりに樹木の性格は熟知できた」と話すが、収量に直結するせん定管理を従業員に任せることはできずにいた。
特に側枝の太さと結果母枝の数は、養分供給と消費のバランスに深くかかわってくる。なんとか数値化できないか頭を悩ませていたが、最近知り合った県内の柿生産者から、上質な大玉果を結果させ、徒長枝を防ぐには「側枝基部の円周(?数)÷10=結果母枝数」とするのが最適と教わり、これに納得。「木のもつ力を100%生かせる」と判断し、公式として採用することを決めた。
1月20日からのせん定では従業員6人にハサミを持たせ、小ノ上さん自身はチェンソーを手に木々の様子を見ながら、全体を監督する。また、農業試験場を退官した知人にも従業員の指導を依頼。マニュアルだけでは判断できない箇所の指示を仰ぐ。
せん定に携わる人手を増やせることで、従来約3カ月かかっていた作業日数は20~30日に短縮される。また今年から、知人の依頼に応じて1.6haの圃場を引き受けるが、「科学的なせん定」(小ノ上さん)ができることで、作業の効率化が図れる見通しだという。
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