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農水捏造 食料自給率向上の罠

豪州の日本研究センター専門家は10年前に自給率政策の問題点を論破していた!

 こうした政策は「食料の安定的な供給」という食安保の政策目標と合致しない。また、高価格を維持して兼業農家の農業所得を支援することは、長期的に日本農業の競争力を減退させ、国内の食料供給力を減少させることにつながる。政策当局は、食安保の代償として、安定価格、安定した農業所得が不可欠というが誰の利害になっているのだろうか。消費者は明らかに被害を受けている。彼らにとって安定価格より低価格のほうがずっと重要である。食品流通、加工、輸出業者は、国際価格と連動しない価格から経営的な打撃を受ける。高い仕入原価に耐え切れず、これらの業者は海外に拠点を移動し、日本に再輸出せざるを得ない。日本の雇用や資本を海外に流出する結果を招いている。

 農家ですら、彼らを保護するために設計された政策から多くを得ていない。専業農家の収入は国民の平均所得よりも若干高いが、長期的には減少している。安定価格は、安定した農業収入を保証するわけではない。農場の力量によって生産量は上下するのに価格の変動が抑えられていては、専業農家はより事業的、効率的な農業を実践しようとするモチベーションが起きない。兼業農家は低い農地の固定資産税率とリターンの大きい減反・転作奨励金から利益を得ることができるかもしれないが、専業農家が得るものは少ない。兼業農家の国策により底上げされた農業収入は、専業農家にとって高い地代を意味する。高い地代は生産費を上げ、収益を低下させる。兼業農家には有益な状況かもしれないが、規模を拡大したい農場や新規に参入したい事業者にとっては大きな資本障壁になっている。こうした中、事業的農家の多くは、規模拡大と技術革新の力をもっと発揮したいと考えている。彼らは現状の過保護な政策ではなく、より競争原理が強化される政策を歓迎するだろう。

 以上から、日本の食安保政策から生じる被害は、消費者、食品業界、専業農家、経済全般が受ける便益を明らかに上回っていることがわかる。

 真の食安保を達成するには、常に変化する国内外の環境に適応できる農業の産業化が必須だ。これには、現実的な農地価格と事業の撤退コストが必要条件になる。農産業が競争力をつけるには、専業農家がもっとビジネスの面で動機付けを得られるように政策転換しければならない。さもなければ農業は産業として縮小し、消滅することを支持していることになる。政策適合が遅れれば遅れるほど、挽回は困難になる。農業の衰退は、農林水産省、農協、地方選出の政治家といった農政(農業予算)の利害集団がより幅広い利益を受けとるものの、最終的には彼らの権力を弱める。つまり、利害集団を含む全関係者にとって、より効率的で力強い農産業に移行した方が今のままの継続的な衰退より好ましいはずだ。

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