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【土門「辛」聞】
農地法改正で農地流動化は起きえるのか?
- 土門剛
- 第59回 2009年07月01日
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画竜点睛を欠く農地確保・利用支援策
農地の効率的な利用を促進させ、耕作放棄地を減らすことなどを目的に、政府が国会に提出した農地法改正。改革の成否は、農地の回転率を高めることができるかどうかだ。農地の回転率、定かな解説があるわけではないが、農地がいかに有効に使われるかの尺度のようなものではなかろうか。農地法改正の成否は、回転率を高めてくれる生産者に農地を委ねることができれば成功となる。
農地法改正案を閣議決定した2月24日、石破茂農水相も「農地法の問題が日本農政の根幹にかかわっていると認識している。改正で、農地に農業をやる気のある方々が集積し、多くの担い手が参入できるようにしたい」(産経新聞)と述べた。
法案をざっと読んでの印象は、農地法の目的規定の見直し(第一条)や、違反転用に対する罰則強化(第二条二項)など評価できる点があるものの、それに沿った農地確保・利用支援策は残念ながら画竜点睛を欠くという印象を受けた。
今回の農地改正で、農地確保・利用支援の具体策は「農業経営基盤強化促進法」の改正に委ねた。これが落第点しかつけられないのだ。
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土門剛 ドモンタケシ
1947年大阪市生まれ。早稲田大学大学院法学研究科中退。農業や農協問題について規制緩和と国際化の視点からの論文を多数執筆している。主な著書に、『農協が倒産する日』(東洋経済新報社)、『農協大破産』(東洋経済新報社)、『よい農協―“自由化後”に生き残る戦略』(日本経済新聞社)、『コメと農協―「農業ビッグバン」が始まった』(日本経済新聞社)、『コメ開放決断の日―徹底検証 食管・農協・新政策』(日本経済新聞社)、『穀物メジャー』(共著/家の光協会)、『東京をどうする、日本をどうする』(通産省八幡和男氏と共著/講談社)、『新食糧法で日本のお米はこう変わる』(東洋経済新報社)などがある。大阪府米穀小売商業組合、「明日の米穀店を考える研究会」各委員を歴任。会員制のFAX情報誌も発行している。
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