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木内博一の和のマネジメントと郷の精神

農業は食品産業である

農業を川上、消費を川下とした場合、間に位置するのが食品産業だ。だが、農業を食品産業と見なし、自ら加工工場や物流などの事業フローを構築することで、その市場規模は大きく広がる。農業にはそれらを適える強みがある。すべての拠点は畑にあるのだ。
 今までの農業は、畑がむりやり市場に合わせていた。市場が規格品でなければダメだと言えば規格にあった農作物を作り、旬ではない時期に商品が欲しいと言えば、旬をずらして栽培した。食品工場が新しくできたときも、要望に従うのは工場ではなく、畑の側だ。つまり買う側のスペックに合わせて畑が回り、農家はその範囲内で儲かるか儲からないかの商売を続けてきたのである。


畑の先を考える

 しかしこうした発想のままでは農業は次のステージへと進めないのではないだろうか。何が足りないかといえば、農業は“食品産業“であるという発想だと思う。食品産業の“一部”としてただ作物を作るのではなく、どうやればおいしく食べてもらえるか、どうすれば取引先に喜んでもらえるか、畑の先を考える。

 実際、農業を食べ物づくりとして考えていくと、なかなか飽きないものだ。お客さまからもっとも遠い食品産業の川上、農業の業界内で「何が売れるか」をいくら考え続けても、答えはどこにも落ちてはいない。川下である、お客さまに近い方に軸足を置けば、視界が変わる。事業のシーズ(種)がそこら中に落ちているのに気付く。マーケットに身をさらすかぎり、いくらしんどくても、常に前へ前へと挑戦できる。“飽きない”の同義語は“進化する”に違いない。

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