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【木内博一の和のマネジメントと郷の精神】
農業は食品産業である
- (有)和郷、生産組合(農)和郷園 代表理事 木内博一
- 第9回 2009年07月01日
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今までの農業は、畑がむりやり市場に合わせていた。市場が規格品でなければダメだと言えば規格にあった農作物を作り、旬ではない時期に商品が欲しいと言えば、旬をずらして栽培した。食品工場が新しくできたときも、要望に従うのは工場ではなく、畑の側だ。つまり買う側のスペックに合わせて畑が回り、農家はその範囲内で儲かるか儲からないかの商売を続けてきたのである。
しかしこうした発想のままでは農業は次のステージへと進めないのではないだろうか。何が足りないかといえば、農業は“食品産業“であるという発想だと思う。食品産業の“一部”としてただ作物を作るのではなく、どうやればおいしく食べてもらえるか、どうすれば取引先に喜んでもらえるか、畑の先を考える。
実際、農業を食べ物づくりとして考えていくと、なかなか飽きないものだ。お客さまからもっとも遠い食品産業の川上、農業の業界内で「何が売れるか」をいくら考え続けても、答えはどこにも落ちてはいない。川下である、お客さまに近い方に軸足を置けば、視界が変わる。事業のシーズ(種)がそこら中に落ちているのに気付く。マーケットに身をさらすかぎり、いくらしんどくても、常に前へ前へと挑戦できる。“飽きない”の同義語は“進化する”に違いない。
畑の先を考える
しかしこうした発想のままでは農業は次のステージへと進めないのではないだろうか。何が足りないかといえば、農業は“食品産業“であるという発想だと思う。食品産業の“一部”としてただ作物を作るのではなく、どうやればおいしく食べてもらえるか、どうすれば取引先に喜んでもらえるか、畑の先を考える。
実際、農業を食べ物づくりとして考えていくと、なかなか飽きないものだ。お客さまからもっとも遠い食品産業の川上、農業の業界内で「何が売れるか」をいくら考え続けても、答えはどこにも落ちてはいない。川下である、お客さまに近い方に軸足を置けば、視界が変わる。事業のシーズ(種)がそこら中に落ちているのに気付く。マーケットに身をさらすかぎり、いくらしんどくても、常に前へ前へと挑戦できる。“飽きない”の同義語は“進化する”に違いない。
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木内博一 キウチヒロカズ
(有)和郷、生産組合(農)和郷園
代表理事
1967年千葉県生まれ。農業者大学校卒業後、90年に就農。96年事業会社(有)和郷を、98年生産組合(株)和郷園を設立。生産・流通事業のほか、リサイクル事業や冷凍工場、カット・パッキングセンター、直営店舗の展開をすすめる。05年海外事業部を立ち上げ、タイでマンゴー、バナナの生産開始。07年日本から香港への輸出事業スタート。現在、ターゲット国を拡大準備中。起業わずか15年でグループ売上約50億円の農系企業を築き上げた木内氏の「和のマネジメントと郷の精神」。『農業経営者』での連載で、その“事業ビジョンの本質”を初めて明かす。
木内博一の和のマネジメントと郷の精神
起業わずか15年でグループ売上約50億円の農業ビジネスを築き上げた“農業界の革命児”木内博一。攻めの一手を極める氏の経営戦略と思考プロセスを毎月、明かしていく。
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