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坂上隆の幸せを見える化する農業ビジネス

一足飛びで考える



1回目の課題を2回目で解決

 おかげで1回目のPDCAを1年で終えることができた。2年目には、初年度の顧客からもらった課題を解決する取り組みを始めた。これが現在の経営の柱となっているコーンサイレージ事業だ。

 初年度、一足飛びにゴール地点までいっていなければ、いまだに試行錯誤を繰り返していたかもしれない。もし売れなければどうなっていたのか? 初めから「鋤きこんでしまえばいい」と決めていたのだ。たとえ売れないという結果がでても仮説の立派な検証だ。早く分かったほうがいい。売上ゼロでも、鋤きこめば土への投資になる。人材と機械をフル活用できる経営転換への研究開発費だと思えば安いものだ。


ビジネスチャンスをつかむには

 たとえばこれから露地で農業を始めようというとき、通常、小さな農地を見つけ、耕し、うまくいきそうな作物を植え付け、収穫して……とステップを踏む。そして、利益を上げて、投資した費用を回収しようと考える。うまくいかなければ別の作物に変えて計画し、小規模のままPDCAを繰り返す。これでは何年たって結果が出るかわからない。一方、需要は常に変化する。

 土地利用型農業のゴールは「いかに土地を集めるか」、「土地を自分のところに集める仕組みづくり」なのだ。需要が生まれたときに一気に対応し、ビジネスチャンスをつかまなければならない業態といえる。利用できる大きな農地が手元になければそのチャンスはつかめない。

 私の場合、まず耕作放棄地に目をつける。放棄地は資産価値がゼロに等しく、そのままでは利益にならないため地主も貸してくれやすい。ポイントは自己資本で投資、開墾した後、作るものですぐに利益が上がらなくても妥当な借地料をきちんと払うことだ。多くの人はこのやり方を支持しないかもしれない。なぜなら資本主義の定番である_投資→回収_スピードが遅く、利益が先送りになるからだ。しかしこのやり方で「農地を集める」というゴールには近づくし、「農地が集まってくる仕組み」として地主の支持も得やすい。そのための基盤を築くには、本業で毎年、限界利益に挑戦し、将来に投資できる経営環境を自らつくるしかない。事務費や販売費などの運営コストを極限まで削り、ムダをなくした。

 利益を先延ばしにしても、ゴールを見失わず到達できるかどうか。経営者の重要な仕事である。

 一足飛びに考えてみよう。農業という職業は、地球を耕すことである。もし「地球を耕す」をゴールにすれば、需要があるなら、地元に限らず、他県やよその国での生産を考えるのは必然となる。一足飛びでゴールを目指せば小さな案件にはこだわらなくなり、ビジネスに広がりとスピードが生まれる。

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