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今年の市場相場を読む

入荷動向が激変する野菜、ブロッコリー、アスパラガス、オクラ、サヤエンドウ

野菜類は施設栽培であっても、天候の推移如何では入荷が激変するのが当たり前だ。生産者サイドとしては、出荷した商品が例年に比べてなぜか高い、安いといったとき、その理由を問い合わせるなりして生産や出荷を調整するものだが、実際には入荷量が激変していても、相場にはあまり変化がない場合もある。実は、相場は変化がないものの、入荷動向が激変しているときこそ、その理由を知ることは重要。入荷全体の動きや他産地の動向を含め、自分の商品の位置付けを常に把握しておくこと。とくに現在のように経済状況が不安定で、一方では自給率向上が謳われているときには要注意だ。
ブロッコリー 05年対比4割増で単価も良好。ドールが築いた基盤で需要安定

【概況】東京市場のブロッコリーは、秋から始まるピークは埼玉産が中心。冬場は愛知産が加わり、その後は福島など東北産が続いて、夏場には北海道、長野産が受け持つ。米国産は周年にわたり過不足を調整している感がある。08年は少なかった05年対比で4割近い大幅増となり、単価も年平均で291円という高値になった。過去数年の平均単価が280円程度だったから、入荷増の単価高という成長品目パターンが出現した。

【背景】主産地に限らず出荷量が増えており、月別統計で見ても、ほとんどの月で増えている。全国的にブロッコリー生産の絶対量が増えたことになる。昨年は原油高を背景に暖房経費や資材費が高騰したため、露地で低コスト栽培できるブロッコリーに生産が集中したことはそれなりに理解できるが、入荷増にもかかわらず単価が支持されて推移したことは驚異。極端な高安がなく、入荷も安定して推移したことで需要が安定したからだ。

【今後の対応】かつて7万t以上あった輸入ブロッコリーは、今や半減している。輸入をリードしてきたドールが、輸入減分を国内生産にシフトさせ、さらに生産を拡大する方向にあるからだ。現在の全国的な増産基調は、このドールによる国内生産拡大が牽引役になっていることは間違いなく、量販店での固定的な売場づくりにも役立っている。供給責任を果たすべく展開しているドールの姿勢を素直に評価することが、国産安定化につながるはずだ。

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