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北海道長沼発ヒール・ミヤイの憎まれ口通信

似て非なるもの、投資と捨て作り


セスナ172から見えた「捨て作り」の現状

話は土を考える会に戻るが、今回は普通のおかしな生産者しかいなかったが、講師のE製粉のA社長の発言にはとても興味を持った。ご存知の通り、小麦の消費の85%は輸入である。以前にE製粉のS部長から輸入麦の方が良くも悪くも量があり、品質が安定していると聞いたことがあるが、A社長は国産麦も大切であり、小さな面積の生産者も大切であると発言された。一方で絶対量がある輸入麦が良いと言い、その一方では品質が安定していない国産麦も良いと言う。この様に相手に合わせて大ウソと分かっていても発言出来る能力が、この北海道農業社会のサバイバルゲームでは必要なのだろう。ちなみに私の麦は倒伏ゼロだ。また儲かって嫌われそうだ。

もう一人の講師は札幌の隣町・江別市で春小麦の初冬播きで有名なK氏である。昨年10月号でも書いたが、この私が初冬播きのアイデイアを考え、3年間、長沼町のグリーンバイオ研究所の景浦部長と研究したが、同じ頃大豆の秋小麦散播が普及し始めたので、この初冬播きは止めたがK氏は江別市全体そして北海道一円で普及させることになり、そのご褒美として日本農業大賞を受賞した。宴会ではスガノ農機のI氏はその辺のことが分かっていて、私を指名し発言させバトルを期待していたようだが、TPOをわきまえるこの私はその手に乗らず、そつのない会話で雰囲気を壊すことはなかった。

次の朝は札幌から旭川空港に飛んできたセスナ172に乗り込み、しっかり操縦かんを握りながら、上富良野の会場の上を軽くグルグル飛び、滝川を経由して帰ったが滝川から岩見沢辺りの麦はひどかった。こんな麦作をやるから補助金もらいの捨て作りなどと言われるのだ。

確かに今年の北海道の麦はひどい品質になるだろう。平年の降水量の4倍で、倒伏もあれば、穂発芽、屑麦が多く発生する。 どうですかこの地域の皆さん、本誌にコラムを持つ関祐二さんに土壌分析を依頼して素晴らしい麦を作りましょう。投資と捨て金の違いがはっきり分かりますよ。ある方から「日本農業大賞、狙っているのですか?」と聞かれたので、「全く興味がありません」と答えた。私が受賞するのはホワイトハウスでアメリカ農業大賞を農務長官と大統領が同席するところでいただきたいものです。そんなの無理? さあ、世の中どうなるかわかりませんよ。

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