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【今年の市場相場を読む】
夏に増える意外な野菜類、ジャンボピーマン、インゲン、ナガイモ、ニンニク
- (株)農経企画情報センター 代表取締役 小林 彰一
- 第158回 2009年08月01日
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ジャンボピーマン 国産が3割に達し韓国産も健闘。2万tの輸入をどう食うか
【概況】東京市場のジャンボピーマンの入荷は近年伸びが著しく、05年から08年の3年間で46%もの入荷増となっている。入荷量全体のうち、韓国、ニュージーランド、オランダからの輸入品が7割を占める。国産は高知が13%、宮崎が4%、そして数少ない関東の産地である茨城が3%で、まだシェアは低いが入荷増の傾向を示している。夏場に入荷の山を形成するのは、夏に強い果菜類だからというより、この時期にオランダ産のシェアが上がるためである。
【背景】最近の入荷増は、シェアトップの韓国産が急増しているためである。まだ7割が輸入品とはいえ、逆にいえば、かつて皆無だった国産が徐々に伸びて、ついに3割に達しているという表現もできる。夏場の需要の山は、主に業務用を中心に、サラダ材料として彩りのいいパプリカが多用されるシーズンだからである。この時期の国産の供給力がまだ弱いために、オランダからの輸入に頼らざるを得ないのが現状である。
【今後の対応】ジャンポピーマンの日本の輸入量は、2万t以上ある。かつてトップだったオランダ産から、成長著しい韓国産へシフトしているが、韓国も国内需要不振から日本市場への期待が強いようだ。一方で、パプリカの国内生産は徐々に拡大している。夏場の需要期を意識してか、青森など東北にも産地が形成されようとしているのが特徴だ。面積拡大だけでなく、輸入品のような安定供給、計画出荷が可能になれば、国産のシェアは上がるはずだ。
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小林 彰一 コバヤシショウイチ
(株)農経企画情報センター
代表取締役
青果物など農産物流通専門のジャーナリスト。(株)農経企画情報センター代表取締役。「農経マーケティング・システムズ」を主宰、オピニオン情報紙『新感性』を発行。著書に、『ドキュメント青果物市場』、『日本を襲う外国青果物』、『レポート青果物の市場外流通』、『野菜のおいしさランキング』などがあるほか、生産、流通関係紙誌での執筆多数。
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