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世界の農業機械・資材トレンド

オーストラリア、南アフリカ、米国、フィンランド、オランダ

クイーンズランドの農業経営者のもとに、車輪間隔4mという特別仕様のけん引式トラクタが到着した。これで、この農業経営者が念願としていた走行制御(CTF)システムの標準化が実現する。
オーストラリア 車輪間隔4mのトラクタでシステム完成

クイーンズランドの農業経営者のもとに、車輪間隔4mという特別仕様のけん引式トラクタが到着した。これで、この農業経営者が念願としていた走行制御(CTF)システムの標準化が実現する。

 ビストロプ家が自分たちの農業経営に適した「4mシステム」を作り上げるための模索を始めたのは10年以上も前のことだ。その時からシステム完成の鍵となる最適なトラクタは間もなく見つかると信じ続けてきた。

 米国ミネソタ州ジャクソン市にあるAGCO社のチャレンジャー・プラントから、オーストラリア初となる4m幅のトラクタを輸入したのは昨年後半のこと。車体後部のトランペット型車軸外管を延長したチャレンジャー型トラクタは、下部構造が可変になっている。車輪間隔3〜4mの範囲ならどのゲージでも調整できる長いハードバーが特徴だ。

 「車輪幅は作物の栽培方法に合わせられますが、ソルガム畑で使用する場合のセッティングは2mか4mのどちらかになっています。3mにすると作物の列を踏み潰してしまうので」と、オーストラリア地域を担当するAGCO社のトニー・カリングワース氏は話す。

 ビストロプ氏の方では、自身の農場での生産性改善が進み、自分でも驚いているという。総生産量が向上した主な理由は収穫回数の増加だが、同機によって耕地の保水能力が改善された上に嵐の影響による土壌流出の被害も劇的に減少したそうだ。

 彼に言わせれば、それもこれもCTFシステムのおかげなのだが、ビストロプ家のシステムはまだ完成しているわけではない。4m間隔の作業に適した肥料散布装置を取り付けるために、農場の貴重な資産である穀物貯蔵タンクはトラクタから取り外され、もともとの使用目的だった収穫作業に戻されている。新たにフラップを取り付けて簡単に収穫物を放出できるようにしたタンクは、農場のCTFシステムの中で大切な役割を果たすことになる。


南アフリカ かつての任機種が新バージョンで復活

 フォード社のエンブレムを付けた青色の10型トラクタシリーズは、1982年当時に南アフリカで発売され売れ行きが好調だった。しかし、1994年には40型シリーズに取って代わられることとなった。
 2002年、フォードの10型シリーズはニューホランドブランドに変わっていたが、多くのユーザーの声に応えて5610型と6610型が復活した。どちらも最新の流行に合わせた製品だが、さらに10S型の発表によって10型シリーズのデザインは息を吹き返した。
 ディア社製NEFⅡ型の動力装置を搭載した5610S型は80馬力。兄弟機の6610S型は90馬力で、両モデルとも2輪・4輪駆動での走行が可能となっている。ストロークが長く内径が小さい設計(132㎜×104㎜)がなされたエンジンは高トルクを確実に発生させる。部品の数を減らして再配置したことでバランスも向上し、振動が抑制された。オイルクーラー付きの全開流量潤滑装置は、南アフリカの厳しい気候の中で活躍できる上、メンテナンスの間隔も長くなる。また、LSD(差動制限装置)付きの4輪駆動システムは電子油圧式制御で、コンソール上のスイッチで操作できる。ボンネットカバーは一体型なので、毎日のメンテナンスが必要な部品へのアクセスも容易だ。

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