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【編集長インタビュー】
ジャガイモ生産者よ、加工メーカーよ 国産冷凍フライドポテトと同じ轍を踏むなかれ
- TOMTENグループ 代表取締役 山道弘敬
- 第29回 2007年01月01日
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北海道の生産者はマーケット意識が希薄?
昆 さて、現在は、まさに当時の経験を活かしたお仕事をされており、「消費を意識した生産」を生産者に提言されておられますね。
山道 今回、北海道から上京したのは、北海道のジャガイモがどう売られているか、都内のスーパーやデパートの売り場を自分の目で確かめるためです。そして、その情報を生産者に伝えるためです。1年に1回必ず東京で市場調査を行なっています。
私がマーケティングを意識するようになったのは、仁丹食品を退社してから入社した伊藤ハムの子会社になる食品加工メーカーでの経験が大きいですね。その会社はセブン‐イレブンさんのベンダーでした。ご存知のように、マーケティングの期待に応えるということを徹底的に叩き込まれましたね。「絶えずいい製品を開発しろ、テスト販売しろ、データを取れ」と。そこまでではないにしても、その半分でも3分の1でも、農業サイドが気持ちとして持っていれば、可能性は広がると思うんです。
昆 おっしゃる通りです。ジャガイモを含め、旧食管法で統制された作物は負けています。コメしかり、麦しかり。本当の日本品種というのは、世界中誰も食べていませんから。マーケットを無視した、食糧供給をする発想の中でしかやっていない。
山道 北海道のジャガイモ生産では未だに主力が1年も前に導入された男爵やメークインです。伊藤ハムから教わったことは、新しい商品を出さなければ売り上げは翌年必ず10%低下する、そしてその10%の低下を新たな商品で11%補うか、9%しか補えないかが売り上げが増加するか減少するかの分岐点だということです。毎年とは言わずとも、品種にしても新しい提案をしていかなければ消費者は産地が何もしていないと思うことでしょう。消費者の周りには毎日のように新しい商品が提案されているからです。それら様々な商品の中からジャガイモを選んでもらうために新しい提案が必要なのです。
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山道弘敬 ヤマミチヒロタカ
TOMTENグループ
代表取締役
1955年、北海道苫小牧市生まれ。北海道大学農学部農業工学科卒業。食品加工メーカーなどを経て、2004年に(有)TOMTENを設立。その後、株式会社化し、農産物の乾燥・貯蔵・鮮度保持を中心に事業を展開している。13年から大型鉄製コンテナに入れたタマネギを大量に施設乾燥させるアスパレーションシステムの提供を始めた。一方、ポテトニュースジャパンウェブサイト(http://www.potatonews.jp/)を運営するPotato News Japan(有)の代表編集委員も務め、農業ジャーナリストとしての側面も持つ。北海道帯広市在住。
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