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【Opinion】
若手農家の農地と意欲を奪う集落営農があってもいいのか?
- 農業ジャーナリスト 青山浩子
- 2007年01月01日
北陸で稲作を営む専業農家・A氏の水田面積が、本人の知らない間に8haから5haに減ってしまった。3年前のことだ。減った3haは借地だった。発端は1998年に始まった県営の圃場整備だ。換地によって、生産者の耕作地の場所は移動することが大半だ。しかし、各自の耕作面積がどのぐらいかという通知は毎年春に届くことになっている。4年前からA氏には借地分の通知が届かなくなり、この事実に初めて気づいた。A氏は集落で唯一の若手であり、認定農業者である。
減った面積は、なんと営農組織の面積として取り込まれてしまったのだ。彼の集落では約3年前に営農組織が設立された。もともとあった機械化利用組合が営農組織になった。A氏は「組織の面積を増やしたかったのだろう。いろいろと意見する自分も気にくわなかったのだろう」と話す。A氏は地主の了解のもと耕作していたが利用権を設定しておらず、そこを突かれたようだが、当該地域では利用権の未設定が通例だ。
A氏は事情を探るため方々を訪ね、何とか行政から事情説明の文書を手にした。そこには「営農組織の核となるよう認定農業者には打診しているが、組織参加には消極的と予想される。両者の話し合いがつかない状態で、集落営農組織側に集積が進み、認定農業者の経営面積が一時的に減少した」と記してあった。
ところが、彼によると組織参加の打診も受けておらず、文章もつじつまが合っていない。しかし「後は両者で話し合いを」と話を打ち切られた。集落組織はJAが後ろ盾をしている。A氏が住むB市はJAから借金しており、「行政も強気に出られないのでは」とA氏は推測する。
減った面積は、なんと営農組織の面積として取り込まれてしまったのだ。彼の集落では約3年前に営農組織が設立された。もともとあった機械化利用組合が営農組織になった。A氏は「組織の面積を増やしたかったのだろう。いろいろと意見する自分も気にくわなかったのだろう」と話す。A氏は地主の了解のもと耕作していたが利用権を設定しておらず、そこを突かれたようだが、当該地域では利用権の未設定が通例だ。
A氏は事情を探るため方々を訪ね、何とか行政から事情説明の文書を手にした。そこには「営農組織の核となるよう認定農業者には打診しているが、組織参加には消極的と予想される。両者の話し合いがつかない状態で、集落営農組織側に集積が進み、認定農業者の経営面積が一時的に減少した」と記してあった。
ところが、彼によると組織参加の打診も受けておらず、文章もつじつまが合っていない。しかし「後は両者で話し合いを」と話を打ち切られた。集落組織はJAが後ろ盾をしている。A氏が住むB市はJAから借金しており、「行政も強気に出られないのでは」とA氏は推測する。
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青山浩子 アオヤマヒロコ
農業ジャーナリスト
愛知県岡崎市生まれ。京都外国語大学英米語学科卒業。日本交通公社(JTB)勤務を経て、韓国延世大学に留学。帰国後、(株)船井総合研究所などに勤務。在職中、農業関連のコンサルティングに携わる。1999年に独立、農業関連のフリージャーナリストとして活動中。著書に、『「農」が変える食ビジネス』(日本経済新聞社)、『農産物のダイレクト販売』(共著、ベネット)、『強い農業をつくる』(日本経済新聞出版社)がある。農業関連の月刊誌、新聞などに記事を連載する一方、茨城大学農学部の非常勤講師、韓国農民新聞の客員記者も務める。
http://aoyama.my.coocan.jp
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