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スーパー読者の経営力が選ぶあの商品この技術

味ではなく、己そのものを売る

静岡県中西部に広がる牧之原台地は、茶の一大産地として全国にその名をとどろかせる。この地で茶の生産・販売に取り組む山本直司氏は、儲けたいというタイプではなく、職人気質の部類に入る。そんな氏が重要視するのは自らの茶づくりにまつわるストーリー。共感が得られるか、得られないか、その1点に賭している。
 「甲州商人の血を引いて商売上手な富士と島田、量はなくとも質に秀でた川根。同じ静岡にあって、牧之原は商いがうまいとはいえず、味も一番ではない」

 こう切り出した山大山本園の山本直司氏は牧之原台地で茶の生産・販売を行なうが、必ずしも地域の傾向に埋没しているわけではない。自身の方向性を大きく左右したのは、茶の世界ではその名を知られる富士の小林園園主・小林由秋氏との出会いだった。小林氏は、茶の作り方や揉み方に加え、茶室を設けて淹れ方まで指導していた。販売も含め、ここでの研修体験が後の山本氏を形作ることになる。

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