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土壌別経営診断 うちの土ではどう作る? 総集編

赤黄色土

土の色と言うと、誰もが思い浮かべるのが黄褐色、赤褐色でしょう。その土地にもよりますが、それ以外の色の方が珍しいくらいです。
 土の色と言うと、誰もが思い浮かべるのが黄褐色、赤褐色でしょう。その土地にもよりますが、それ以外の色の方が珍しいくらいです。

 関東平野なども、表層はほとんど黒色に近い火山灰表層土ですが、深く掘ると黄褐色の心土が出てきます。

 我々日本人に土のイメージを持たせるのはこの赤黄色です。

 土の鮮やかな赤色、黄褐色が最大の特長であり、しかも火山灰土のように軽しょうでなく、均一性の高いやや重い感じのする土が西日本を中心にかなりの範囲で分布しています。

 この土は赤黄色土と呼ばれ、物理性、特に粒径分布が均一で、畑作でよく使われる作りやすい土です。

 今回はこの赤黄色土について話してみましょう。

 いつも述べていますが、土の種類や特性を知りたいと思ったら、まずその土がどんな過程や条件下で出来たかを考えることです。

 これを土壌生成作用と言いますが、まずそれは岩石の風化から始まり、そこに赤黄色土の特長もあります。

 岩石の風化では、様々な無機成分、とりわけカルシウム、マグネシウムが溶け出ることで、その岩石の風化物、つまり土の母材は、中性から微アルカリ性の条件下におかれることとなります。

 このpH条件下では、岩石に含まれた珪酸は溶け出しますが、鉄とアルミニウムは溶け出しません。

 つまり珪酸の溶け出しと流亡が連続します。

 この現象は溶け出してくるカルシウム、マグネシウムなどの塩基の供給が続く限り続きます。

 そして塩基の供給が少なくなっていき、そのpH条件が微酸性に傾きだすと珪酸の流亡は止まりますが、ここまで来ると土壌内にある鉄とアルミニウムの比率が高くなっています。

 また、高い温度と水の供給が充分であることが重なり、どんどんこの傾向が強まり、土は鉄に由来する鮮やかな赤錆色や黄褐色を示します。

 この場面でたとえ有機物が供給されても速やかに分解されてしまい、腐植として土壌に存在することはなく、茶色や黒色になることはありません。

 土の色の源泉は鉄と腐植にありますが、腐植の存在はこの赤黄色土ではゼロといってよいでしょう。

 このように、赤黄色土は高温多雨を原因としてできます。

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