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特集

待ってました日本農業の夜明け!イノベーションに挑む経営者の時代 続編 年の初めに言ってしまいます――何よりも自分に、そして時代に、同伴者たちに



【24
顧客に支持される経営体が前提
時代の荒波を乗り越える
株式会社A-Netファーム十勝 森田哲也(北海道清水町)】

北海道十勝の地で先代が岐阜県より入植し、現在約73haで畑作農業を営んでいます。
時代とともに農業環境の変化のスピードを実感するとともに、温暖化を含め気象の変化に翻弄されています。農場のモットーは「これまで100年、これから100年」。時代の変化に対応し、準備するべく取り組んでいます。具体的には大きく分けて二つあります。
まず一つ目は、小豆を中心とした6次化の取り組みです。豆そのものの販売をしていますが、昨年から外部との協力で和スイーツを商品化しています。その一例として、『料理王国』という料理人の愛読する雑誌が企画している「料理王国100選(2015年版)」に「十勝プレミア小豆」が選ばれました。これまで4回の応募に豆類はなかったそうです。小豆の評価に加えて、「和食というカテゴリーを外れて、イタリア料理やフランス料理にも小豆を新たに加えてはどうか」との助言をいただきました。いままでの和へのこだわりではなく、食材として幅広く認められたわけです。
十勝産の小豆は、和菓子の世界ではある程度の評価を受けていますので、あえてコンクールに出品しなくても需要がないわけではありません。ただ、小豆を多くの方に食べてもらいたいという思いから誰も踏み込んでいないところにも足を踏み入れて、まだ小豆の良さを知らない方々に知っていただければと思っています。
そして二つ目は、1年半前に認証を受けたJGAPの活用です。頭に浮かぶのは孫子の兵法(五事七計)です。戦わず負けない戦を説くものですが、こと農家では五事のうち、「法(ルール化)」の整備が希薄になり、手つかずの状態がほとんどで、ここが最大の弱点と判断しました。そのため、農場体制の強化を図るため、JGAPの基準に沿ってルール化の構築を図りました。
その後、地元でもJGAPの勉強会を開こうということになって準備を進めていきますと、「GLOBAL G.A.P.」を取らないと応援する施策がないということがわかり、仲間と挑戦することになりました。日本に限らず、世界でも小豆の栽培で取得した事例がないため、ニュージーランドから穀物のエキスパートが来日しての審査となるようです。もし、取得できたら、誰も取れていない世界初めての小豆栽培でのGLOBAL G.A.P.となります。

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