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編集長インタビュー

ご飯を主食とした日本型の食事を子どもたちにお弁当で届けたい

東京都中野区の住宅地に一軒の仕出し弁当屋さんがある。ここでつくられる手作りのお弁当を食べるのは、日本の未来を担う子供たちだ。ファーストフードやコンビニ弁当、菓子パンなどを食べている子供たちに、日本で穫れた旬のおかずとご飯という和食を届けたい。奮闘する女性経営者に話を聞いた。                  (まとめ/加藤祐子)

将来を担う子供たちの
食はこのままでいいのか

昆吉則(本誌編集長) 椎名さんは、塾や学童に「子ども向けの仕出し弁当」を提供するサービスをされています。事業化に至るまでの経緯や大切にされている思いについて伺いたいと思います。
椎名伸江(FCN(株)代表) 栄養バランスが良くて、日本の旬のものを使って、すべて手作りで添加物のないお弁当を子供たちに届けたいという思いで、2013年11月に会社を立ち上げました。サービスを始めて約1年が経ったところです。
昆 きっかけを教えてください。
椎名 一昨年までは東京都練馬区の小学校で栄養士をしていたのですけれども、その保護者の方から「子供が塾で食べる夕食をどうしたらいいのかわからない」と相談を受けたんですね。お母さんも働いていらっしゃるので、子供にお金を渡すと好きなものしか買わないし、夜の分のお弁当を朝つくって出かけるというのは難しいのでどうしましょうと。
昆 私の子供時代には塾なんてものは存在しなかったけれど、今はそういうニーズがあるんですね。
椎名 私もびっくりしたんですが、確かに共働きの方も多いし、塾に通っている子供も多いので、そういう問題もあるようです。そして、たぶん私たちよりエリートになる子供たちが塾に通って、中学受験をするのではないかと。彼らがファーストフードだったり、コンビニ弁当で育ったりするのはちょっと嫌だなと思ったんです。そうしたら一刻も早くお弁当を届けたいなという思いで、すぐに学校給食の仕事は辞めようと。
昆 そういう思いを持ったとしても、始めるのにお金も、いろんな許可も要るんでしょう?
椎名 会社を興すことも、このお店を開くに当たっての許可も必要でした。ただ、本当にすぐやらなきゃと思って。企画書を書いて、塾の実態を説明して、保護者の方々が困っているのでたぶんニーズはあります、私たちは絶対にできると思いますという勢いだけでお金を貸してもらって、会社を立ち上げました。それで、大手学習塾の社長さんに会いに行って、直談判という形ですね。
昆 その反応はどうでしたか?
椎名 その社長さんがすごく柔軟な方で、できるならすぐやって!!という感じでした。「ただ、今まで何軒かお弁当業者を入れたけれど、1年もたずにやめちゃったよ。注文が当日だったり、時間厳守だったり、平日は必要とされないけれど夏休みとか忙しかったりと売上が不安定だからね。仕方なく、近くで買っておいでって言うしかない」と。始められる準備が整ったら、すぐにゴー出すからまた来なさいという返事をその場でいただきました。
昆 いい方に出会いましたね。
椎名 最初は塾から始まったのですが、会社を立ち上げた時に学童からも声をかけていただいて、夏休みや冬休み、春休みには学童にも届けています。

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