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【編集長インタビュー】
ご飯を主食とした日本型の食事を子どもたちにお弁当で届けたい
- FCN(株) 代表 椎名伸江
- 2015年01月30日
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将来を担う子供たちの
食はこのままでいいのか
昆吉則(本誌編集長) 椎名さんは、塾や学童に「子ども向けの仕出し弁当」を提供するサービスをされています。事業化に至るまでの経緯や大切にされている思いについて伺いたいと思います。
椎名伸江(FCN(株)代表) 栄養バランスが良くて、日本の旬のものを使って、すべて手作りで添加物のないお弁当を子供たちに届けたいという思いで、2013年11月に会社を立ち上げました。サービスを始めて約1年が経ったところです。
昆 きっかけを教えてください。
椎名 一昨年までは東京都練馬区の小学校で栄養士をしていたのですけれども、その保護者の方から「子供が塾で食べる夕食をどうしたらいいのかわからない」と相談を受けたんですね。お母さんも働いていらっしゃるので、子供にお金を渡すと好きなものしか買わないし、夜の分のお弁当を朝つくって出かけるというのは難しいのでどうしましょうと。
昆 私の子供時代には塾なんてものは存在しなかったけれど、今はそういうニーズがあるんですね。
椎名 私もびっくりしたんですが、確かに共働きの方も多いし、塾に通っている子供も多いので、そういう問題もあるようです。そして、たぶん私たちよりエリートになる子供たちが塾に通って、中学受験をするのではないかと。彼らがファーストフードだったり、コンビニ弁当で育ったりするのはちょっと嫌だなと思ったんです。そうしたら一刻も早くお弁当を届けたいなという思いで、すぐに学校給食の仕事は辞めようと。
昆 そういう思いを持ったとしても、始めるのにお金も、いろんな許可も要るんでしょう?
椎名 会社を興すことも、このお店を開くに当たっての許可も必要でした。ただ、本当にすぐやらなきゃと思って。企画書を書いて、塾の実態を説明して、保護者の方々が困っているのでたぶんニーズはあります、私たちは絶対にできると思いますという勢いだけでお金を貸してもらって、会社を立ち上げました。それで、大手学習塾の社長さんに会いに行って、直談判という形ですね。
昆 その反応はどうでしたか?
椎名 その社長さんがすごく柔軟な方で、できるならすぐやって!!という感じでした。「ただ、今まで何軒かお弁当業者を入れたけれど、1年もたずにやめちゃったよ。注文が当日だったり、時間厳守だったり、平日は必要とされないけれど夏休みとか忙しかったりと売上が不安定だからね。仕方なく、近くで買っておいでって言うしかない」と。始められる準備が整ったら、すぐにゴー出すからまた来なさいという返事をその場でいただきました。
昆 いい方に出会いましたね。
椎名 最初は塾から始まったのですが、会社を立ち上げた時に学童からも声をかけていただいて、夏休みや冬休み、春休みには学童にも届けています。
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椎名伸江 シイナノブエ
FCN(株)
代表
1985年東京都練馬区生まれ。高校卒業後、日本大学生物資源学部に進学。入学早々に参加した農場実習で長野県野辺山の高見澤賢一氏に出会う。過酷な農業現場を目の当たりにし、未来を担う子供たちに日本の食を伝える仕事を志す。大学を中途退学し、山脇学園短期大学食物科に入学。栄養士と栄養教諭の資格を取得し、卒業後は東京都練馬区の小学校の栄養士として5年間勤務。学生時代より続けてきたシッターのアルバイトで働く女性の実情を肌で感じて企業を志す。食育の最前線で得た経験をもとに、2013年11月にFCN(株)を立ち上げ、代表を務める。
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