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昆 メニューを教えてください。
椎名 日替わりでメニューが決まっていて1カ月ごとにホームページに掲載しています。献立は基本的に毎日、ご飯を主食とした和食一つだけで選んだりはできません。給食のときと同じスタイルです。栄養士なので、今の小学校5~6年生の夕食としてふさわしいカロリーで、ふさわしい栄養素が入っている献立をきちっと立てています。勉強をする子供たちなので、眠くなったり、一気に血糖値が上がり過ぎたりすることがないように、少しご飯控えめで逆にタンパク質を増やしてという栄養バランスを基本にしています。
昆 基本が和食というのは面白いコンセプトですね。
椎名 さらに、お弁当のふたに必ず日替わりのお手紙をつけて、今日はこういう思いでお弁当を作っていますよというのを伝えています。子供たちは結構これを楽しみにしてくれているようで、保護者の方に「今日はこんなお弁当を食べたよ」と伝えてくれるので、ここに頼むのは安心だと思っていただければと。
昆 親御さんも感動するでしょ?
椎名 「こんな思いを込めて作ってくださるんですね」という言葉をいただくので、ありがたいですね。こちらとしても「毎回の食事に意味がある」「大事にとってほしい」「日本にはこんなにいい食材がある」「旬があって、それを感じながら食べられることは幸せ」といったことは手紙で伝えていければと思っています。
昆 一食いくらなんですか?
椎名 塾に出している高学年用のお弁当は560円(税抜き)です。塾を通さずに保護者の方と個人契約をしていて、1カ月分まとめて口座振り替えでいただいています。
昆 数はどのくらい出ているの?
椎名 普段の学校があるときで、夕食に出しているのが毎日30~40食。長期休暇になれば、塾の講習と学童を合わせて、昼夜両方で150~250食くらいです。
昆 配送までされているんですね。
椎名 はい。ピザ屋のバイクで配達しています。塾は中野から届けられる範囲の8カ所と、学童は中野区内の10カ所です。1回では積めないので、まとめてつくって箱に入れておいて、ぐるっと回って配達して、積み直しての繰り返しです。
昆 大変ですね。今のところ分業できない体制でしょう。
椎名 そうですね。いずれは運搬だけでも委託できればと思うんですが、子供たちと触れ合えるのも嬉しい時間なので、大事にしています。
日本で穫れた旬のものを
全力で食べてない!
昆 そもそも、学生時代に長野県野辺山の高見澤憲一さんの農場に行ったことが、人生の転換点を与えてくれたという思いがありますよね?
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椎名伸江 シイナノブエ
FCN(株)
代表
1985年東京都練馬区生まれ。高校卒業後、日本大学生物資源学部に進学。入学早々に参加した農場実習で長野県野辺山の高見澤賢一氏に出会う。過酷な農業現場を目の当たりにし、未来を担う子供たちに日本の食を伝える仕事を志す。大学を中途退学し、山脇学園短期大学食物科に入学。栄養士と栄養教諭の資格を取得し、卒業後は東京都練馬区の小学校の栄養士として5年間勤務。学生時代より続けてきたシッターのアルバイトで働く女性の実情を肌で感じて企業を志す。食育の最前線で得た経験をもとに、2013年11月にFCN(株)を立ち上げ、代表を務める。
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